gameros’s blog

特撮やアニメの感想など書きます。

「仮面ライダーエグゼイド」について

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「ドクター」「戦う」「ゲーム」と聞いたら何を思い浮かべるだろうか。以前までほとんどの方はきっと「Dr.マリオ」と答えただろうが、現在はそれだけじゃない。「仮面ライダーエグゼイド」は医療×ゲームという、一見してかみ合いそうにない要素を強引に、それでいて自然に鮮やかに繋げた作品である。

 

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※このルックスが良いよね

 

ひいき目で見ても、世間からの第一印象は決して良いものではなかった。「仮面ライダーらしくない」とは毎年言われることだが、今回はそれに加えて「戦いそうに見えない」「ゆるキャラ?」「ダサいとかのレベルじゃない」と散々言われていた。レベル1を差し引いても、今までのライダーとは全く違う方向性のデザインだったためだ。しかしそれで良い、そうで無くては駄目だと私は思う。「仮面ライダークウガ」と「仮面ライダーアギト」、2作とも大好きだが、リアルタイムで視聴していた当時、正直2人の見分けがつかなかった。(私だけかもしれないが)シルエットに共通点があると途端に見分けがつかなくなる子供にとって、エグゼイドとゴーストの違いはさぞわかりやすかっただろう。

 

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※先輩ライダーなのにタケルが敬語なの、良いよね

 

そんなポップな見た目のエグゼイドも、お話は中々に濃厚だった。キーワードは『ギャップ』だ。

もちろん第1話から面白かったが、物語が加速したのは何と言っても第12話「クリスマス特別編 狙われた白銀のXmas!」である。サブタイトルだけならどう見てもギャグ回だが、断言しておこう、エグゼイドにギャグだけで終わる回は存在しない。むしろ前半でギャグ方面に走った回は、後半にどんでん返しがあることが多いのだ。これも1つのギャップである。

ポッピーの正体、敵ライダー新フォームお披露目、メインキャラの死…クリスマスに放送する内容とは思えないが、このお話の評判を聞きエグゼイドに興味を持った方も少なくないだろう。また、これも「仮面ライダーエグゼイド」の特徴として、キャラクターが戦闘中に諦めることが少ない。特撮作品を見ていれば、野暮ではあるが「今の避けれたのでは?」という場面も多々ある。しかし、ことエグゼイドの戦闘では、敵の攻撃に対して直前まで抵抗している描写が多い。これはキャラクターに感情移入する手助けをしてくれており、個人的にとても嬉しかったことを覚えている。絶対に倒してやる、絶対に生き残ってやるという執念が感じられた方も多いのではないだろうか。

 

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ニコニコ動画では「最後まで抵抗するのすき」と親しまれている

 

そんな「仮面ライダーエグゼイド」、映画にも恵まれている。まずはゴーストとの冬映画、「平成ジェネレーションズ」。ウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイドが共演し、更に晴人、進ノ介、タケルは本人出演なのだから驚きだ。若干「ベルトさん復活しすぎでは?」という思いもよぎったが、他に文句は一切無く、間違いなく最高の映画であった。

次に「超スーパーヒーロー大戦」。こちらは電王10周年という色が強くエグゼイド本編とのリンクも無いため異色だが、過去ヒーローの再演、作品を超えたバトルなどは見応えがある良作だ。これもまた「キャラがブレてる」「何故カード使わないの…」などの声はあったが、アクションも気合が入っていて個人的にはグッド。

3つ目は夏映画「トゥルーエンディング」。これに関しては「とにかく観てくれ」の一言に尽きる。本編終盤と完全リンクしている本作は、公開日に観ただけでは意図的に謎が残るよう作られており、かなりの挑戦作かつ成功作だ。最終回先行上映と言えば今までは「劇場版仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」だったが、ここにきて歴史に新たな1ページが刻まれた。

2017年9月現在、これらの映画がヒットしたこともありエグゼイドは未だ視聴者からの人気が高く、「エグゼイドロス」なんて言葉もTwitterでは呟かれた。

 

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※鎧武が完全にbotだったのは仕方ないが残念

 

仮面ライダーエグゼイド」は一貫して「命」をテーマに物語を描いていた。と言っても、特にドライブ辺りから仮面ライダーはずっと「命」をメインテーマにしている傾向ではある。ドライブでは機械生命体ロイミュードの生き様をチェイスやハートで魅せ、ゴーストでは主人公タケルが命の重さを学んでいく成長の物語であった。では何故「仮面ライダーエグゼイド」はこの2作とまた違う作品になったのか。私はそれを、「背負っている物の重さ」での表現に特化させたからではないかと考える。

医者とは人を生かす職業だが、それと同時に最も人の死に近い職業でもある。それはつまり良い思い出ばかりでなく、暗い過去、負い目、清算すべき因縁が必ずあるということだ。本作の登場人物のほとんどは過去の設定、また、その過去の出来事から作られた性格や特徴をとても丁寧に描いていた。「仮面ライダーゴースト」で時々見られた「キャラが定まらない」という弱点を見事に克服している。決して「仮面ライダーゴースト」を悪く言いたいわけではないが(と言うかそこがゴーストの魅力の1つなのだが)、「前作を超えてやる!」という意気込みはここからも感じられよう。

更に脇を固めるのが2号、3号ライダーである鏡飛彩と花家大我だ。

恋人を亡くした過去を持ち、恋人との約束という一種の呪いのために剣を振っていた飛彩は、永夢や大我を始めとした様々な仲間と接していく内に変わっていった。「俺に切れない物は無い」が口癖の彼でも仲間との絆は切ることができず、呪いを希望に変え戦い抜いた。

大我が魅力的なキャラクターになったのは、やはりニコちゃんの功績が大きい。因縁や孤独を抱え戦う彼を、最初は意図していなかったかもしれないが、隣に立ってずっと支えてあげていた。自暴自棄気味だった大我にとって、守りたい命ができたことは生きる希望となったことだろう。

 

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※この2人の関係が熱すぎる

 

キャラクターの話になると、どうしても檀黎斗について語りたくなってしまう。「仮面ライダーエグゼイド」の登場人物の中で、最もスタッフと視聴者から愛されたキャラクターと言えても過言では無いかもしれない。特にコンティニュー後の新檀黎斗以降は「元敵」「開発者」「ダーティースタイル」「顔芸」「声芸」「ツンデレ」という、特撮で愛されやすい要素を踏まえた上であの性格だ。好きにならないはずがない。長くなるので割愛するが、仮面ライダーファンのほとんどがVシネを期待していることは間違いないだろう。

 

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※正直序盤は「なんやこのポエム野郎」くらいの認識だったが、今ではハイパー大好き

 

エグゼイドの魅力はそれだけではなく、共闘が全て熱いこともここで挙げておこう。

私が特に好きなのは、月並みだが第31話「禁断のContinue!?」の二人のマイティ、第38話「涙のperiod」のエグゼイド&ブレイブ、第40話「運命のreboot!」のエグゼイド&パラドクス、第41話以降のバトル全てだ。全て熱い。もう一度言おう。全て熱い。

劇中歌があまり使われなかったことだけが心残りだが、序盤から使用されているBGMも十分格好良く、ただでさえ決まっているバトルをより熱いものにしてくれている。良い。

これは本作が得意とする予告詐欺も一役買っており、次回予告を観て視聴者が想像する展開とはまた違うバトルを見せてくれるため、1話見逃すだけでもお話に着いていけなくなるレベルであった。

 

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※決め台詞が最高

 

例年に比べ展開が異様に速かった「仮面ライダーエグゼイド」、当初は中盤での失速が懸念されていたが、実際はそんな心配をしていた自分が恥ずかしいレベルでの完成度で走り切り、次作「仮面ライダービルド」へしっかりとバトンを渡した。当然のことのように聞こえるかもしれないが、一年物はこれが本当に難しいのだ。エグゼイドから仮面ライダーを観始めた方も多く、新たなファンを呼び寄せた作品にもなった。ファンとして本当に嬉しい限りだ。

ニチアサは「仮面ライダービルド」へとバトンを渡したが、決して「仮面ライダーエグゼイド」が終わったわけではない。冬には「平成ジェネレーションズFINAL」、来年の春には電王ぶりのVシネトリロジーも控えている。本編が綺麗に終わったこともあり、若干のエグゼイドロスは感じるものの、まだまだ楽しませてくれるであろう期待が終わらないのは心地良い。

先ほども触れたように、他の仮面ライダーを観たことが無くとも楽しめる「仮面ライダーエグゼイド」。今から観ても全く遅くはないため、未視聴の方は騙されたと思って観てみてほしい。絶対に損はさせないであろう。そして、観終わった後は1つのゲームを終えたような達成感を感じるに違いない。「仮面ライダーエグゼイド」という名のゲームを、ぜひ体感してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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※密かに共演を願っていました…。