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「仮面ライダーウィザード」について

特撮
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「魔法」「ヒロインとの絆」「宝石」「スタイリッシュ」、それらの要素を贅沢に使った作品。そう、それが「魔法つかいプリキュア」である。

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※控えめに言ってめっちゃ面白い

と冗談はさて置き、私は「仮面ライダーウィザード」という作品が好きだ。
世間では割と酷評が目立つ印象がある。先日述べた「仮面ライダーキバ」でもそうだったが、一気見ならまだしも一年かけて視聴すると、どうしても中盤お話が進まずダレているように見えてしまうのだ。確かに「仮面ライダーウィザード」もその印象が強かったのかもしれない。

しかし、それでも物語の完成度は高い。消えてしまったヒロインを簡単に復活させたりなどせず、しっかり落とし込んだのも評価したい点だ。

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※お互いがお互いの希望

今作を語る際に欠かせないのは、主人公である晴人とヒロインであるコヨミの関係である。互いに互いを思い、最初からヒロインが主人公にだけデレているのも新鮮であった。
物語が中盤に差し迫り、コヨミが白い魔法使いの娘…を蘇らせるための器であったことがわかる。これだけでも涙モノだが、上記のようにそれをご都合展開で解決するのではなく、その事実を受け止めどう進んでいくかに物語の軸が定められていた。近年では「死んだと思ったら生き返ったやんけ!」という展開が多かったため(フィリップ、アンク、賢吾など)、個人的には納得できて好印象だったのを覚えている。

そして「仮面ライダーウィザード」と言えば劇場版である。ウィザードは映画に恵まれ、初登場したフォーゼの映画「みんなで宇宙キターッ!」でのアクションや、「ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」、冬映画「IN MAGICLAND」も大変良い出来だった。「スーパーヒーロー大戦Z」?知らない子ですね…。
中でも私が好きなのは、映画「鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦」のウィザード編である「約束の場所」だ。やはりこれだろう。
コヨミが最後に遺したホーブウィザードリングとなかなか別れられなかった晴人は、旅先で新たな敵オーガに襲撃されホーブウィザードリングを奪われてしまう。戦いに備えるためにも日本に戻った晴人の前に、今度はオーガが作り出したコヨミの姿をした白い魔法使いが現れる。
最初に注目すべき点は、コヨミが現れた際に周りが「奇跡が起きて蘇ったんだ!」と喜ぶ中、晴人だけが「コヨミは死んだはずだ」と言い切ったことだ。晴人の中でコヨミのことは本編でしっかり決着がついていることであり、終わったことなのだ。あの場の誰よりもコヨミに生きていてほしかった晴人だからこその台詞である。
また、偽物と言えどもコヨミの姿を模している敵と晴人を戦わせないために、リスクを承知で再度ビーストに変身する仁藤にもグッとくる。仮面ライダービースト、その名に恥じぬ漢気だ。

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※ヘルヘイムの実の影響が心配…

極め付けは、晴人のアンダーワールドである。
本編劇中では両親が横たわっている病室だった晴人のアンダーワールドが、「約束の場所」ではコヨミとの思い出に変わっている。コヨミを白い魔法使いから預かったシーンや、コヨミにベレー帽をプレゼントしたシーンなど、本編でも印象深い場面の中で戦闘するのは斬新で面白く、感動的でもあった。映画館でこのウィザードならではの演出を観た時は、思わず「やられた!」と叫びそうになったものだ。「俺は希望の魔法使いだ。俺の希望が溢れる世界で、俺が負けるはずがないんだよ」という晴人の台詞も、一年の重みが感じられ良い。

晴人とコヨミの関係は、決して恋愛ではなかった。確かに「おいおいこいつら付き合ってんのか」とは毎週言いたかったし、もしコヨミが普通の人間であれば、MOVIE大戦で結婚してても良いくらいではあった。しかし実際はそんな単純な話ではなく、晴人もコヨミもお互いを恋愛対象というよりは家族として接していて、そこが安っぽくなく素晴らしかった。晴人と仁藤の関係と言い、「仮面ライダーウィザード」最大の魅力は、『登場人物の距離感』だと感じた。
ウィザードは「最も美しい仮面ライダー」と言われているが、その美しさは戦い方や佇まいだけでなく、物語にもあったのだ。







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※我が家で一番高いフィギュアはPBMウィザードさん