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「仮面ライダーウィザード」について

特撮
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「魔法」「ヒロインとの絆」「宝石」「スタイリッシュ」、それらの要素を贅沢に使った作品。そう、それが「魔法つかいプリキュア」である。

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※控えめに言ってめっちゃ面白い

と冗談はさて置き、私は「仮面ライダーウィザード」という作品が好きだ。
世間では割と酷評が目立つ印象がある。先日述べた「仮面ライダーキバ」でもそうだったが、一気見ならまだしも一年かけて視聴すると、どうしても中盤お話が進まずダレているように見えてしまうのだ。確かに「仮面ライダーウィザード」もその印象が強かったのかもしれない。

しかし、それでも物語の完成度は高い。消えてしまったヒロインを簡単に復活させたりなどせず、しっかり落とし込んだのも評価したい点だ。

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※お互いがお互いの希望

今作を語る際に欠かせないのは、主人公である晴人とヒロインであるコヨミの関係である。互いに互いを思い、最初からヒロインが主人公にだけデレているのも新鮮であった。
物語が中盤に差し迫り、コヨミが白い魔法使いの娘…を蘇らせるための器であったことがわかる。これだけでも涙モノだが、上記のようにそれをご都合展開で解決するのではなく、その事実を受け止めどう進んでいくかに物語の軸が定められていた。近年では「死んだと思ったら生き返ったやんけ!」という展開が多かったため(フィリップ、アンク、賢吾など)、個人的には納得できて好印象だったのを覚えている。

そして「仮面ライダーウィザード」と言えば劇場版である。ウィザードは映画に恵まれ、初登場したフォーゼの映画「みんなで宇宙キターッ!」でのアクションや、「ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」、冬映画「IN MAGICLAND」も大変良い出来だった。「スーパーヒーロー大戦Z」?知らない子ですね…。
中でも私が好きなのは、映画「鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦」のウィザード編である「約束の場所」だ。やはりこれだろう。
コヨミが最後に遺したホーブウィザードリングとなかなか別れられなかった晴人は、旅先で新たな敵オーガに襲撃されホーブウィザードリングを奪われてしまう。戦いに備えるためにも日本に戻った晴人の前に、今度はオーガが作り出したコヨミの姿をした白い魔法使いが現れる。
最初に注目すべき点は、コヨミが現れた際に周りが「奇跡が起きて蘇ったんだ!」と喜ぶ中、晴人だけが「コヨミは死んだはずだ」と言い切ったことだ。晴人の中でコヨミのことは本編でしっかり決着がついていることであり、終わったことなのだ。あの場の誰よりもコヨミに生きていてほしかった晴人だからこその台詞である。
また、偽物と言えどもコヨミの姿を模している敵と晴人を戦わせないために、リスクを承知で再度ビーストに変身する仁藤にもグッとくる。仮面ライダービースト、その名に恥じぬ漢気だ。

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※ヘルヘイムの実の影響が心配…

極め付けは、晴人のアンダーワールドである。
本編劇中では両親が横たわっている病室だった晴人のアンダーワールドが、「約束の場所」ではコヨミとの思い出に変わっている。コヨミを白い魔法使いから預かったシーンや、コヨミにベレー帽をプレゼントしたシーンなど、本編でも印象深い場面の中で戦闘するのは斬新で面白く、感動的でもあった。映画館でこのウィザードならではの演出を観た時は、思わず「やられた!」と叫びそうになったものだ。「俺は希望の魔法使いだ。俺の希望が溢れる世界で、俺が負けるはずがないんだよ」という晴人の台詞も、一年の重みが感じられ良い。

晴人とコヨミの関係は、決して恋愛ではなかった。確かに「おいおいこいつら付き合ってんのか」とは毎週言いたかったし、もしコヨミが普通の人間であれば、MOVIE大戦で結婚してても良いくらいではあった。しかし実際はそんな単純な話ではなく、晴人もコヨミもお互いを恋愛対象というよりは家族として接していて、そこが安っぽくなく素晴らしかった。晴人と仁藤の関係と言い、「仮面ライダーウィザード」最大の魅力は、『登場人物の距離感』だと感じた。
ウィザードは「最も美しい仮面ライダー」と言われているが、その美しさは戦い方や佇まいだけでなく、物語にもあったのだ。







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※我が家で一番高いフィギュアはPBMウィザードさん

「仮面ライダーキバ」について

特撮
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私は「昼ドラ」という物にあまり詳しくない。小学生の頃、夏休みか何かで昼過ぎ頃にテレビをつけたところドンピシャで濡れ場シーンだったあの時から、何となく敬遠してきた。
そんな私でも唯一語れる昼ドラ、それが「仮面ライダーキバ」である。

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※もちろん昼ドラではない

仮面ライダーキバ」はそのストーリーの濃厚さから「昼ドライダー」とまで言われ、様々な子供を置いてけぼりにしていった挑戦作の一つである。(と言っても私が子供の頃もクウガのストーリーわかっていなかった癖して楽しんでいたので、仮面ライダーが戦っていれば子供は良いのかもしれない)
デザインや設定も良い塩梅で中二病気味であり、放送当時に丁度中学生だった私の心には深く突き刺さった作品であった。

ファンガイアと人間のハーフである主人公紅渡は、父の作ったバイオリン「ブラッディローズ」の音色に導かれ、自身の在り方や人々との絆を確かめ合いながら戦いに身を投じていく。また、渡の父である天才バイオリスト紅音也の物語も同時進行され、2つの時代の物語がやがて大きな1つの物語となる。
かなりザックリすぎるが、「仮面ライダーキバ」とはそんな雰囲気の作品である。面白いのはやはり2つ話が同時進行していくことだろう。現代での謎が過去編で段々と明かされていき、並行して進行することで伏線を仕込みやすい。子供には少し分かり辛かったかもしれないが、中学生以上の視聴者の心はしっかり掴んでいった。
何より格好良いのは、これも月並みだがキバのライダーキックである「ダークネスムーンブレイク」であろう。未だにこの技を最も好きなライダーキックとして挙げる方は多い。辺りが途端に夜になり鎖を解放して飛び上がり、キック後衝撃の余波として紋章が刻まれる。これ嫌いな男子いないだろ、という中二病キックである。良い。

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※足を高く上げるのとか最高

また、変身道具兼相棒であるキバットやタツロットにも人気声優を使い、前作の「仮面ライダー電王」のように様々な方向へ売りに出していた作品でもあった。10周年記念作品である「仮面ライダーディケイド」を除けば、「仮面ライダーキバ」は所謂平成一期の最後のライダーだ。平成一期特有の登場人物のすれ違い、何となく暗い雰囲気、少々おかしい2号ライダー、助言を授けてくれる大人役、必要な要素をしっかり押さえた作品であった。

「少々おかしい2号ライダー」と上に書いたが、訂正しておこう。だいぶおかしい。

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※黙ってればただのイケメン

有名人気キャラなので敢えて詳しい説明は省くが、だいぶおかしい代わりに見せ場もしっかり用意され、劇中の仮面ライダーの中では珍しく最初から最後まで人間の力で戦い抜いたのは賞賛に値する。化け物だらけの戦争で生き残ったのは、何より名護啓介という芯の強さ故だろう。

そして「仮面ライダーキバ」の話を私がする時、必ず名前を挙げるキャラクターがいる。バットファンガイア、過去キングさんだ。

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※デザインは最高に格好良いのになぁ

私はこの人以上に可哀想なラスボスを知らない。
ファンガイアの王としてしっかり職務に励んでいたにも関わらず、妻は人間と浮気し、変身道具兼相棒のキバット・バットⅡ世には裏切られ、妻を奪った人間とその息子に瀕死に追いやられ、最後は実の息子にトドメを刺され、やっとの思いで現代に蘇ると今度は間男の息子と実の息子に再度殺される。
こんな悲劇があって良いのだろうか。もう目も当てられない。劇中で散々ドロドロした三角関係を見てきたが、過去キングさんほど同情したくなるキャラクターはいない。いてたまるか。

そんなわけで、「仮面ライダーキバ」という作品の魅力は、個人的にはキャラクターにあると感じる。紅渡を始め、紅音也、名護啓介、アームズモンスター、過去キング、大牙、真夜、ゆり、深央、他にも様々な魅力的なキャラクターでいっぱいだ。逆に言えば、キャラクターを好きになれなければずっと胃が苦しくなるようなお話を観ていくだけになるので、やはり好き嫌いが分かれる作品であるのも確かなのかもしれない。
今後あそこまでドロドロの人間関係は仮面ライダーシリーズで見れないかもしれないので、まだしっかり観れていない方は時間を見つけて視聴しておこう。







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※あまり使ってくれなかったが、イクサリオンというイクサ専用バイクが死ぬ程好きだ。

「仮面ライダー電王」について

特撮
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もし私が過去に戻るとしたら、散々馬鹿なことをしてきた小学生時代だろう。昔の私にガツンと言ってやり、その捻くれた性格をきちんと矯正してやりたい。
そんな過去への介入を許さないのが、「仮面ライダー電王」である。ドラえもんで言うタイムパトロールだ。

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※これが全部同じライダーという衝撃

時の運行を守る仮面ライダー電王は、人の記憶を使って過去へ遡り街を破壊する(本当は別の目的があるが…)イマジンから未来を守る仮面ライダーである。主人公の良太郎はその身に4体のイマジンを宿し、デンライナーという所謂タイムマシンを使い過去と未来を行き来し戦う。

仮面ライダー電王」の最も素晴らしい所は、綿密な設定をしっかり料理できていたことだろう。
過去への介入による影響を受けない特異点、ヒロインであるハナ、桜井侑斗という男、イマジンの目的、全ての要素をふんだんに使い、綺麗でまとまった作品に仕上がっている。設定だけは良くても、料理の仕方を間違えるとあまり多くの人に美味しいと思ってもらえないのだ。おのれディケイド。
その中でも2号ライダーである仮面ライダーゼロノス、桜井侑斗の設定は物語のかなり深い所にある。

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※映画「スーパー大戦GP」もいいぞ

正直主役よりも重要な、この物語に欠かせない人物だ。
しかしその秀逸な設定のために、変身の代償が歴代ライダーの中でもかなり重め。仮面ライダーゼロノスに変身するにはカードが必要だが、そのカードを消費する度に人々から「桜井侑斗」に関する記憶が抹消される。緑のカードは現代の桜井侑斗、赤のカードは過去(ここで言う過去は『昔』のことではなく)の桜井侑斗に関する記憶を使う。変身する度に絆を失う仮面ライダーというのは当時斬新であった。私がなりたくない仮面ライダーの1,2を争う奴である。
その設定や、ヒロインの時間が消えたこと、更には物語途中でのヒロインの降板さえも上手く活かし、先ほど述べたように最初から最後まで綺麗な作品となっている。

しかしここで敢えて、「超電王」シリーズに触れておこう。

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※さらばって言ったな、ありゃ嘘だ

仮面ライダー電王」は様々な映画に登場しているが、あくまで電王の映画として公開されたのは、映画「俺、誕生!」、映画「さらば仮面ライダー電王 ファイナルカウントダウン」の2作品である。その他にも映画「クライマックス刑事」や映画「オールライダー レッツゴー仮面ライダー」等にもメインキャラとして登場しているが、本編とリンクしているかは定かでは無い。
そして「超電王」とは、映画「鬼ヶ島の戦艦」、映画「超・電王トリロジー」のことを指す。つまり良太郎が佐藤健じゃない電王だ。

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※通称「小太郎」である(おっと画像が)

これがまた、あまりよく思ってない方が多い。私は結構好きだが、「さらば」と言っておいて何度も出ていること、綺麗に終わった電王を売れるからと言って何度も出すこと、佐藤健が出ないこと…様々な不満が視聴者の中で溜まり、それが不評となって形に出てしまっている。
しかし映画「超・電王トリロジー」の三部作はどれもよくできており、誰もがどれかしらは好みであろう。私は中でも「EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ」が好きだ。劇中の「僕にとってはただの紙クズでも、他の誰かにとってはお宝かもしれない」という海東の台詞が今でも頭から離れない。

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※ディケイドで始まった超電王がディエンドで終わる

人気声優の起用、ポップな作風(設定はポップじゃない)から、今まで仮面ライダーに興味が無かった人も取り込むことができた名作だった。
今でも時々「仮面ライダー電王から入った奴は漏れなくにわか」みたいな風潮があるが、その人がどの作品からそのシリーズを知ったとしてもその人の自由であり、もっと言えば「仮面ライダー電王」しか観ていなかったとしても、悪く言われる筋合いは無い。それぞれの作品にはそれぞれの良さと悪さがあり、好き嫌いが生まれるのは仕方が無い。それは仮面ライダーファンが一番知っていることであろう。

仮面ライダー電王」に一言だけ何か言うとしたら、「デンライナーが便利すぎる」だ。映画やゲームでも未だにデンライナーが酷使されているので、そろそろ過労死が心配である。同じくらい便利なアイテムやマシンが今後登場することに期待しよう。






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※電車の中でバイクに乗るのは「なるほど」と思った

「スマイルプリキュア!」について

アニメ
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毎日仕事に明け暮れ、疲労困憊の中家路につく。すっかり社会の歯車に組み込まれた社畜の心を癒す物とは何か。そう、プリキュアだ。
プリキュアも何だかんだで10年以上のシリーズとなり、2016年3月現在、プリキュアの人数も44人まで増えた。(劇中サブプリキュアも含めたらもう数え切れない)
そんなプリキュアシリーズの中で私が一番好きなのは、何を隠そう「スマイルプリキュア!」である。

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※絶対プリキュア空間

放送中のシリーズが終盤に差し掛かると、次のプリキュアのバレ画像が出回る。それはスマプリも例外でなく、前作「スイートプリキュア♪」放送中に変身後の画像がネットに上げられた。
キャラデザへの当時の反応は、大半が「オタク向けになった」であった。デザイン担当は「Yes!プリキュア5」と同一人物なので、特段例年から何かを一新したわけではないが、目の形や色使いがそう感じさせてしまったのかもしれない。ただ、決して不評ばかりだったわけでなく、私を含め楽しみにしている人間は多かった。

放送が始まり話が進むにつれ、私は衝撃を受けた。嫌いなキャラがいないのだ。
どんな作品でも必ず1人は魅力が感じられないキャラや好きになれないキャラがいるものだが、「スマイルプリキュア!」では、プリキュアはもちろん妖精キャラ、敵キャラさえ好きになってしまえるアニメだった。更に各キャラへの掘り下げやフォローがほぼ完璧であり(よくわからん奴だったのはラスボスくらい)、脚本がしっかりキャラクターを大切にしていることが伺える。私はキャラクターが大切にされているアニメが何より好きなのだ。

そんなベタ褒めの「スマイルプリキュア!」の中でも私が一番好きなお話は、月並みだがやはり第19話「パパ、ありがとう!やよいのたからもの」だろう。この回をベストストーリーに挙げる方は多いのではないだろうか。
学校で自分の名前について調べるという宿題が出ました。自分の名前にはどんな意味があるのか?やよいはそれを知るため、お母さんに聞いてみました。でも、お母さんもやよいという名前にどんな意味があるのかは知りません。それはやよいという名前をつけたのは、今は天国にいるお父さんだったからです。そのころ、みゆきたちも自分の名前についてお父さんたちに聞いていました。しかし、やよいだけは聞くことができません。そこで、やよいは辞書をひいて、やよいという言葉にどんな意味があるのか自分で調べるのでした。(公式サイトより)
この回の素晴らしい所は

  • 父の死への向き合い方
劇中でやよいの父の死因は明かされていない。やよいの中で父が亡くなっていることは既に受け入れていることなので、わざわざ死因やそれに悲しむ描写を入れる必要が無いのだ。当たり前のことのように思うかもしれないが、これができている作品はとても少ない。幼少の頃に亡くなっているのだから、亡くなったことに対しての悲しみは普通なら済ませている。

  • 教会での親子のやりとり
自身の名前の由来について、やよいは以前父から直接聞いていた。そのことへの回想の際に、やよいが教会で父と秘密の結婚式を挙げようと言う。教会の中を歩きながら「ママには内緒だよ」と微笑むやよいを見て、父が言った言葉が「やよいは優しいな」である。一見噛み合ってない会話に見えるが敢えて深読みをすれば、やよい父は既にこの時、自分の命が残り少ないことがわかっていたのかもしれない。絶対に見ることができないやよいの結婚式を、ままごととは言え見せてくれようとするやよいに対して、ふと自然に出てしまった言葉なのではないだろうか。

  • 名言の多さ
もうこれは言わずもがなだろう。やよいの「優しさはきっと、人から人に伝える愛の表現なんだ」や、れいかの「名前は、私たちが親に貰う最初の愛なんですね」など、この回に感動を詰め込みすぎ問題である。これを日曜朝に観せられるこちらの身にもなってほしい。最高だ。


もちろんこの回だけではなく、個人的には第18話「なおの想い!バトンがつなぐみんなの絆!!」、第36話「熱血!?あかねの初恋人生!!」、第43話「れいかの道!私、留学します!!」、第44話「笑顔のひみつ!みゆきと本当のウルトラハッピー!!」などをお勧めしたい。誰が観ても、観ておいて損は無い回だ。
今から「スマイルプリキュア!」を観ようとしている方や、「ドキドキ!プリキュア」以降にプリキュアを視聴し始めた方にはぜひ堪能して頂きたい。女児アニメに心を動かされる覚悟をしておくと良いだろう。







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※私の推しキュアは依然キュアハッピーである

「仮面ライダードライブ」について

特撮
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その作品を好きになるタイミングは人それぞれであり、序盤から既に好きな人、中盤からの展開が好きな人、ラストスパートから好きになった人、十人十色だ。
そして何を隠そう私は、「仮面ライダードライブ」という作品が本編が終わったタイミングでも、なかなか好きになれていなかった
その原因の一つは、主人公である泊進之介のキャラクターがいまいち掴めなかったためだ。

半年前に起こったグローバルフリーズで相棒を守りきれず、警視庁特状課に左遷された泊進之介。普段はサボりの常習犯であり、ギアが入るのがとても遅い。しかし一度その気になれば頭の回転は速く、本人の決め台詞である「脳細胞がトップギアだぜ」に偽りは無い。物語中盤からは世間にも仮面ライダーであることを明かし、仲間の手助けを得ながらも様々なロイミュード事件の解決へ奮闘する。

この作品の注目点は、月並みだがやはり「車に乗っている」ということだろう。

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※ドライブの愛車、トライドロン(残念ながらAT)

仮面ライダーが車に乗っちゃったら仮面ドライバーじゃん」という意見を親の声より耳にしたが、今やその考えは古く、仮面ライダーファンの中では「仮面ライダーとは自由と平和のために戦う全ての戦士のこと」というのが共通認識になりつつある。(さすがに「仮面」の部分が無くなるとまずいだろうが…)
そもそも「ride」は「乗る、乗り込む」という意味だから車でも良いだろ!という少し苦しい私の意見は放っておき、本題に入ろう。

  • 泊進之介という男
上で述べた通り、泊進之介は普段はぐーたらギアが入るとクールにキリッな人間であった。しかし、その性格は序盤の方で熱いハートを持った青年へと徐々に修正されていく。役者の影響か脚本の都合かはわからないが、そのせいで進之介のキャラクターが定まるのにラグが発生したようにも感じた。

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※ でも結構考えながら戦う人

どうしても進之介のキャラが掴みきれない、進之介の考えていることが想像しにくい。そんな時にわたしを救ってくれたのが、本編終了後の映画「超MOVIE大戦ジェネシス」である。

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※ドライブシリーズ増えすぎ!(嬉しい)

この映画はネット上で酷評が目立った。矛盾点の多さ、ロイミュード勢の扱い、ご都合展開などが一部によく指摘されていた。
例年のMOVIE大戦のように【前作仮面ライダー】→【今作仮面ライダー】→【MOVIE大戦】という構成ではなく、最初からドライブとゴーストの物語が融合し同時に進行していった今作は、ドライブファンからすると「しっかりした完結編が観たかった」と思うかもしれない。
しかし、私はこの作品で初めて「泊進之介はこういう男だったのか」と理解することができた気がした。
物語の中で進之介は、幼い頃に父親を亡くしているタケルに自分を重ね、人生の先輩兼仮面ライダーの先輩としてタケルを導きながらも自身の答えを出していく。映画「スーパーヒーロー大戦GP」や映画「プライズ・フューチャー」もとても良い作品なのだが、どちらも進之介と誰かの絆に重点が置かれ、個人的には進之介の人間らしさの描写が少ないように感じた。
先に述べたように、確かに色々ツッコミ所がある映画ではあったが、後のことはタケルに託し結婚して戦いから遠ざかり初めて、人間の進之介を見た気がした。

そして問題はそこからである。つまり私が「仮面ライダードライブ」を本当に好きになったのは、本編が終わって半年後に放映された作品を観てからなのだ。これほど悲しいことがあるだろうか。今更になって本編を全て観返したくてたまらない。
私のドライブ熱は、ローギアから突如トップギアに入ったらしい。さぁ東映特撮FC、ひとっ走り付き合えよ!







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※ちなみに我が愛車はトライドロンに似てる

映画「仮面ライダー1号」について

特撮
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私が初めてリアルタイムで視聴した仮面ライダーシリーズは仮面ライダークウガだった。

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※今でも通用する秀逸デザイン

それからは毎年欠かさず視聴するまでどハマりするが、正直それまでは「仮面ライダー」に興味が無かった。
そんな私でも何度も目にしたことがある仮面ライダー、それが初代仮面ライダー1号である。

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※2号が登場するまで変身ポーズは無かった

変身者は、学者にしてモーターレーサーでもある完璧超人、本郷猛。その有能さ故にショッカー改造計画のターゲットとされてしまう。しかし脳改造の直前に脱出し、それからは正義の改造人間としてショッカーと立ち向かった。
改造人間は幾多の戦いを経ることで能力や外見が変化することがある、とされている。1号もその例外ではなく、藤岡弘、が38年ぶりに変身した映画「仮面ライダー大戦」でも新1号と言われる姿で活躍した。

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※変身の演出がやけに格好良い

そして2016年、再び藤岡弘、が演じる本郷猛がスクリーンにて復活した。その姿がこれである。

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※確実にライザップに手を出している

凄い変わりようだ…!長年の戦いは、技の1号と呼ばれた彼に力をも授けたらしい。後ろに立っている現行ライダーのゴーストとスペクターも比較的大きめの体をしているというのに、可愛く見えてしまう。
この新しいデザインの1号、ネット上では賛否両論。私は割と「賛」寄りであった。当時からの1号ファンにとっては今までのスーツに親しみが強く受け入れ難いだろうが、何だかんだパッと見て1号だとわかるよう上手くリデザインされている。ベルトの開閉も、風車だけじゃなくてもうベルト全体を開閉式にしてやろう!という勢いが感じられる。

さて、そんな映画「仮面ライダー1号」を先日観に行った。前評判は悪い意見ばかりだったが、そんなのは毎年恒例なのだ。気にしてはいけない。

↓ここからはネタバレを含みます







結果から言うと、しっかり面白かった。だがしかし、一部から酷評される理由もわからないでもない作品でもあった。
個人的に良かったと思う点を上げると

  • 物語の導入が王道でわかりやすい
映画が始まると、すぐに本郷猛は登場した。よくわからんが絡んでくる不良な奴らをバッタバッタと(バッタだけに)倒していき、野次馬から「あ、あいつは誰だ?」「知らないのか?あれが本郷猛さ…」と囁かれながら去っていく。しかし次のシーンでは心臓を抑えながら俯いてしまう。これだけで【本郷猛は強い】【その強さが知れ渡る程戦い続けている】【だが身体にガタが来ている】という情報が伝わってくる。機械の体が不調を訴えている展開は個人的に大好きなのでgood。

  • 生命の大切さというテーマ
本郷猛は劇中で「生命とは何か、何故生命が大切なのか」とタケルに問いを投げかける。これに対して「説教くさい」という意見もあったが、現行ライダーである「仮面ライダーゴースト」の大きなテーマがまさにそれなので、マッチングできていたんではないだろうか。例えばこれが前作の「仮面ライダードライブ」だったとしたら、若干?マークが浮かんだかもしれないが…。

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※もっと進之介の車好き設定を使って欲しかった

  • 熱いシーンをしっかり決めてくる
本郷は途中大きなダメージを受け絶命してしまうが、これまたお約束の「美少女の涙」で、爆炎の中派手な復活を遂げる。その直前に「私泣かないよ…猛と約束したもん」と言ってたのに号泣してたのはさておいて、炎の中佇む仮面ライダーはそれだけで格好良い。

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※つよそう

また、熱いシーンと言えばゴーストとスペクターが仮面ライダー眼魂を使って戦っていたシーン。youtubeでその眼魂の物語は既に配信されていたが、今映画ではなんとそれぞれの劇中BGMが使われていたのだ。特徴的なオーズやウィザードや鎧武のBGMなんかは思わず鳥肌が立ってしまった。あれを聴きに行くだけでも映画を観る価値はあるのではないだろうか。


さて、では敢えて悪い点を挙げるとしたら何だったのか。それはやはり、本郷猛というキャラクターのブレである。
もちろん「様々な経験の末、姿だけでなく中身も成長していった」という考え方をすれば気になる程ではない。(改造人間に「成長」という表現が合っているのかはさておき)
ただ、どうしても本郷猛と言うよりは藤岡弘、色が強いキャラクターになってしまっていたのは否めない。今回脚本も藤岡弘、が多少修正を入れていると聞くが、そのせいだけではないだろう。良い意味でも悪い意味でも、45年という歳月は本郷猛を変えてしまった。

個人的に残念だった点をもう1つ挙げれば、ネクロムさんの出番が一切無かったことだ。(スーツの中の人は序盤で本郷猛に絡んでぶっ飛ばされてた)
どこかで出てこないかなーっと期待していたが、アランさえ登場しなかった。ただ、じゃあどこに入れるんだと言われればどこにも入れる隙は無い。それくらい詰め込まれたストーリーではあった。下手に出すより今回は控えたのだろう。

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※映画「スーパーヒーロー大戦GP」で下手に出て一瞬でRXに負けた魔進チェイサーさん


総評としては、「俺は満足した」である。これに尽きる。
ヒロインがやけに可愛かったことやMOVIE大戦ジェネシスで普通に戦えてたアカリが弱体化していたことやユルセンや仙人が普通に見えてたことやタケルがやたら本郷猛大好きだったことや地獄大使のお願いを笑顔で断る本郷猛や、色々言いたいことはあるが全て細かいことである。特撮は何よりも勢いが大切であり、気にしてしまったら負けなのだ。
今後藤岡弘、が本郷猛を演じることはもう無いかもしれないが、最後にスポットを当ててもらえただけでも本当に良かった。毎年のことではあるが、今から来年の春映画が楽しみである。




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※ちなみに名刺はタケルの物だった。「お前が不可思議現象やんけ」というツッコミは禁句。