gameros’s blog

特撮やアニメの感想など書きます。

「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」について

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私は幼い頃からルパン三世が大好きだった。

ルパン三世がお宝を狙い、美女を助け、仲間たちと悪を討つ。銭形警部もそこに参戦して、最後は美女と別れて警察から逃げる。このTVSPお決まりと言っても良い一連の流れにカタルシスを感じていた。


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※最近まで放送していた4期、5期も好き


その中でも特に好んでいたのは、格好良いルパンと熱い銭形の攻防だ。この2人の敵同士だがそこには確かに絆がある。そんな奇妙な関係が愛おしくすら感じる。
それをなんと日曜朝にやろうってんだから、情報が公開された時は飛び上がるほど驚いた。


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※大好きの一言


快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーは、史上初2つの戦隊を同時に描いた異端作である。
今までVSシリーズと言えば物語の後半で前作の戦隊と共演するVシネマのことであった。 つまり、どちらの戦隊も1年近く活躍した状態での作品だったのだ。そうすることで、キャラクター1人1人の行動を細かく理由付けしなくても視聴者自身が補完してくれる。物語を”どのキャラクターがどんな活躍をするか”よりも、”2つの戦隊を掛け合わせるとどうなるか” に比重を置くことができるのである。
それを今回は1年の番組として行おうと言うのだから、放送前は正直少し不安だった。歴史あるスーパー戦隊がここにきて更に新しいことをやろうとしている。それが嬉しくもあり緊張もする、微妙な感情が渦巻いていた。
しかしいざ第1話が放送されると、そんな不安はどこへやら。私は一瞬でこの作品の虜になった。我ながらチョロすぎである。


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※はいセクシー罪で逮捕


稀代の大快盗アルセーヌ・ルパンがのこした
ふしぎな宝物”ルパンコレクション”が
異世界からあらわれた犯罪者集団ギャングラーにうばわれた
コレクションを利用して悪事をくりかえす
ギャングラーをこのままにしてはおけない!
失った大切な人を取りもどすために戦う
快盗戦隊ルパンレンジャー
世界の平和を守るために戦う
警察戦隊パトレンジャー
絶対に交わることのない”快盗”と”警察”
宿命のライバルが、今、激突!
時には対立し、時にはともに戦う2つの戦隊
君はどっちを応援する!?(公式サイトより)


「君はどっちを応援する!?」とあるように、番組が終盤になる頃にはきっとどっちを応援するか決まっているの だろうなぁ、なんて軽く考えていたら、私にそんなことは許されなかった。
どっちも。どっちもだ。ルパンレンジャーもパトレンジャーも、どっちかなんて選べない。誰が何と言おうと、私はどっちも大好きになった。


快盗戦隊ルパンレンジャーの魅力の1つは、その関係性にある。
魁利は兄を、透真は婚約者を、初美花は親友を…世界平和でなく、ルパンレンジャーはルパンコレクションを集め、大切な人を取り戻すために戦っている。
あくまで自分の願いのために活動しているため、自分たちの行いを正義とは当然思っていない。また、「それが俺たちのルールだからな」でお馴染みの「誰かが途中で倒れても、残った奴が願いを叶える」という一番最初の約束からわかる通り、その関係はとてもドライだった。
3人それぞれの第一印象だと、中でも一番ドライなのは透真だろう、と自然と思っていたが、その予想は物語中盤で裏切られる。ルパンレンジャー内で1番の爆弾は、他の誰でも無くルパンレッド/夜野魁利だ。
記憶に新しい第37話「君が帰る場所」で強制帰宅ビームという恐ろしい技を扱うギャングラーが現れた。ビームを浴び、自分が”帰る場所”として認識している所へ次々と転送される面々。しかし、魁利にだけは強制帰宅ビームが効かなかった。
つまり、魁利にとってビストロジュレはアジトではあっても帰る場所…即ち自分の居場所とは思っていないことが判明する。
重い。重すぎる。しかし思えば伏線はあった。
第25話「最高に強くしてやる」にて魁利の部屋が映されたが、19歳(当時)にしてはあまりにも殺風景。必要最低限の家具と1枚の写真しか置いていないその空間は、部屋と言うよりは一時的に滞在する宿屋のようであった。
魁利にとって”兄を取り戻すこと”が全てであり、それ以外のことに構っている余裕の無さの表れなのだろう。


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データカードダスで「まるでキミの心の中だ…」というセリフが付いている。子供向けゲームで精神を削ってくるんじゃない。


そんなビストロジュレのシェフ、ルパンブルー/宵町透真もまた、大変魅力的なキャラクターとして描かれている。
一見よくいるクールキャラに見えるが、ルパンレンジャーの中で最も優しい人物なのではないか、と個人的には感じる。
例えば第12話「魔法の腕輪」では頑張る少年の背中を押してあげたり、強制帰宅ビームが効かない魁利に対してもとても複雑な表情を浮かべていた。
ただ、魁利を心配はすれど、あと1歩踏み込めない。自身に言い聞かせるように言っていた”俺たちのルール” という言葉にも縛られ、魁利や初美花に一種の遠慮をしていたように見受けられた。
そのルールもラストバトル前にクシャクシャのポイされ、やっとルパンレンジャーが真の意味で仲間になれたのだと、あの瞬間感極まった視聴者も多いことだろう。
ついナンパ野郎だとかエアロビクスだとかキツツキだとか連想してしまうが、何度もギャグ回の犠牲者になりながらもその優しい格好良さを貫いていたのは、脚本、演出、 役者の演技全てが揃っていたからこそ成し得た功績だろう。


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※ルパンブルー(低音)


ルパンレンジャーの紅一点、ルパンイエロー/早見初美花も良いキャラクターだ。
演じるのが元アイドルということで、その手の知識に浅い私はここでも若干の不安を感じていたが、その演技を見て不安は吹き飛んだ。明るく活発な等身大の今時女子の姿がそこにはあった。
親友を取り戻すために戦う初美花は、3人の中で最も年齢が低く、また、最も普通の子である。
魁利のような闇を抱えていなければ、透真のように上手に割り切れない。良い意味でも悪い意味でも、ありのままなのだ。
秘密は苦手だし、嘘は下手だし、お世辞にも頭が回る方ではない。どう考えても快盗に向いていないのだが、それでも最後まで戦い抜くことができたのは、ひとえに意志の強さがもたらした結果と言えよう。
それには普段初美花をイジり倒す魁利も一目置いているようで、第28話「誕生日も戦いで」では初美花の父親に「強いっすよ、あいつ」と認めている。本人のいない所で褒める。これだよこれ。
魁利と透真が初美花を大切にしているのは様々なシーンで感じることができるが、特に際立ったのは正体を明かすシーンだろう。
ギャングラーのボス、ドグラニオにマスクを外せと命令を受けた時、魁利と透真は初美花を見て「良いのか?」と確認する描写がある。”初美花だけは今ならまだ引き返せる” という想いが2人にあったのだろう。このシーンだけでご飯3杯いける。


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※最初の頃いつか裏切ると疑っていてごめん


さて、ここまでずっと快盗の話をしてきたが、TV本編も同様に序盤は快盗にクローズアップされている展開が多い。
それではパトレンジャー側の魅力が伝わりづらくなっていくのでは…と思うかもしれないが、全くそんなことは無かった。
こればっかりは観た人にしかわからないだろうが、数あるスーパー戦隊の中でも異質なルパンレンジャーの戦う動機を丁寧に描くことで、言わば王道であるパトレンジャーの魅力も相対的に上がっていくのだ。
このようなお話の作り方に名前があるのかは存じ上げないが、我々視聴者は完全に制作側の手のひらの上だったのだろう。やられてしまった。


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※ 今思えば第1話にほとんど出てこないのが信じられないキャラの濃さ


快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーを語るのであれば、この男は欠かせない。パトレン1号/朝加圭一郎だ。
前作の宇宙戦隊キュウレンジャー でもダブルレッド制を採用していたが、今作は別々の戦隊のレッドが同じ作品内に共存しているのだから、また話が別だ。
ルパン三世で言う銭形警部のようなポジションである圭一郎は、最初こそ絵に描いたような猪突猛進熱血主人公だった。しかし、仲間たちと困難を乗り越え、魁利を始めとしたルパンレンジャーと接していく中で徐々に心境が変化していく。
圭一郎というキャラクターの魅力は、ハートは常にホットだがヘッドは意外とクールという点だ。そう、一言で言えば頭の良い熱血である。
他人の趣味や思想を否定しない人間性、ルパンレンジャーがただ私利私欲のためにコレクションを盗んでいるわけではないと察する洞察力、 物語後半では嫌々だがルパンレンジャーと協力(利害関係の一致)する柔軟性。そして何より、魁利をまるで自分の弟のように心配する暖かさも持っている。
これにはさすがの魁利もかなり心を動かされたようで、イチャラブ旅行回でお馴染み第30話「ふたりは旅行中」で魁利がラストに発した「似てんじゃねぇよ、めんどくせぇ」という伝説のセリフはあまりにも有名。
そんな太陽のような男圭一郎は、終盤で遂にルパンレンジャーたちの正体に気付く。この辺りの流れは総集編と上手く絡めていて、視聴者を飽きさせない徹底ぶりに改めて感動した。
そして問題の第49話「快盗として、警察として」。圭一郎は自身のポリシーを曲げてでも魁利の力になりたいと申し出るが、朝と夜が交わることは無い。魁利からは逆に背中を押され、圭一郎は警察として、魁利は快盗として、それぞれの道を歩み続けることになる。
はい来た。はい最高。朝から何を見せられているんだ私たちは。


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※ここもすき


そんな濃いレッドに負けず劣らず良いキャラしている後輩、パトレン2号/陽川咲也。
第一印象は”軟派な男”。ゆとり教育が生んだチャラ男だと感じていたが、その実、パトレンジャーの中で最も純粋な心の持ち主である。
それは細かい所作からも溢れており、例えば初美花が悩んでいればすぐにそれを察し、隣に座って真摯に話を傾聴してくれる。
先ほど圭一郎に対しても”人間性が高い”と評価したが、圭一郎が警官への憧れを胸に自ら人間性を高めたタイプ、咲也はそもそもの性格が良いタイプ、という印象だ。
純粋すぎるが故に人一倍騙されやすいが、それは裏を返せば他人を信じることに長けているということ。
圭一郎とつかさがジュレの3人をルパンレンジャーだと疑った時も、咲也だけは最後まで違うと信じていた。

状況証拠も揃っており、3人が快盗だと考えれば全ての辻褄が合ってしまう。潔白を証明するために初美花を食事に誘う第47話「今の僕にできること」は、個人的にとても好きな回だ。
会話の節々にも咲也の優しさがにじみ出ており、第7話「いつも助けられて」の食事とは見ていて印象がガラリと違う。(と言っても、あの時も初美花の服装をしっかり褒めていたりして、咲也は一貫して良い男なのだが)
咲也は視聴者が感情移入しやすいポジションにいたキャラクターだったため、ルパンレンジャーが正体を明かした時に見せた咲也の悲痛な表情は、非常に胸にくるものがあった。


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※家には様々な趣味のグッズが置かれており、モテるために多趣味であるのと同時に、どれも長続きしなかったのではないかと思わせる。


パトレンジャーに無くてはならない存在、パトレン3号/明神つかさは、圭一郎のブレーキでありアクセルでもある貴重な存在だ。
あの綺麗な見た目でハスキーボイス&男勝りな性格、それに加えてかわいい物が大好物というギャップ。嫌いな人はいるのだろうか。いない。
圭一郎とは同期ということもあり、”腐れ縁”と言いながらも圭一郎のサポートは和菓子を与えるタイミング含め誰よりも上手い。
圭一郎が突っ走った時は冷静になれと諭し、圭一郎が迷った時は立ち止まるなと奮い立たせる。パトレンジャーはつかさがいなければ崩壊していたであろうタイミ ングも少なくはなく、つかさが国際警察を支えていたと言っても過言では無いだろう。
人を見る目もあり、ジュレの3人を早いタイミングで真っ先に疑ったり、ルパンレッドを見て「あいつのブレーキは壊れている」と的を射ている評価を下したこともある。どちらも全くその通りで、その観察眼は本物と言えよう。


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※隙あらば魁利の面倒も見ようとする姉御肌


そして忘れてならないのは快盗でもあり警察でもある、ルパンX/パトレンX/高尾ノエルだ。
追加戦士として第20話「新たな快盗は警察官」から登場した謎多き男。キザな言い回しを使い、飄々としながらも何かを企てている策士タイプのキャラクターだ。
役者が元体操のお兄さんなだけあり、スタント無しのアクションをそれはもうガンガンやってくれる。中でも役者本人も特技としているパルクールやXMAは驚愕の完成度であり、役者が動けるおかげでスーツアクターが苦労していそうなゴーカイシルバ ー現象が起こっていた。
しかし実は私は最初、ノエルのことが苦手だった。
秘密が多く考えが読めないキャラクターは嫌われることも多いが、ノエルはそれに加えルパンレンジャーでもありパトレンジャーでもあるというどっちつかずの立ち位置だ。私としては「余計にややこしくなるじゃん!」と悪い印象が先走ってしまったのだが、話数を重ねるにつれノエルも遊びでやっているわけではないことがわかってくる。
物語終盤にノエルが人間ではないこと、アルセーヌ・ ルパンを蘇らせるためにコレクションを集めていることが判明する。所々に張られていた伏線が一気に回収され、共通の願いを持っていたことがわかり、ルパンレンジャーの3人とも真の意味で絆が芽生えた。
これらの流れはノエル奪還のための布石でもあり、この頃には私含め視聴者もノエルのことが大好きになっていたことだろう。


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※口癖の「オーララ」ほんと好き


ノエルを含め、今作のアクションはとてつもなく気合が入っている。
セクシーで余裕を見せつつも、時にはギリギリな戦い方をするルパンレンジャー。真正面から敵に立ち向かい、正々堂々と制圧するパトレンジャー。それらを、まるで自分も戦闘に参加しているかのように錯覚するカメラアングルで贅沢に見せてくれた。
これは今話題のVR技術等も取り入れており、とにかく全てが新体験のアクションシーン。Twitterで実況するはずが、TV画面から目が離せなかったことがしばしばあった。


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※ずっと見てられる


もちろんセンスが光っているのはアクションだけではない。
先述した「似てんじゃねぇよ、めんどくせぇ」や、「これしか無いから快盗やってんだ!」、「わかってる…死ぬほどわかってる」、「兄ちゃん、ごめん」等々、特に魁利のセリフにはどれも重みがあって個人的に好きだ。
何度も言うが、ルパンレンジャーの中でも魁利は異端である。
第34話「伝説の銃」では、ルパンレンジャーに” 大切な人を撃つ”という試練が与えられたが、透真も初美花も、あのノエルにさえ試練を乗り越えられなかった。自分が助けようとしている人を傷つけるなどできなくて当たり前だと思うが、魁利だけは撃つことができた。
その際、魁利は「今まで兄貴の真似してやってきたどんなことより、俺、めちゃめちゃ快盗向いているわ」と自身を評している。辛い辛すぎる。
目的のために非情に徹する能力。そんなものは普通なら必要無い才能なのだが、こんなところでそれに気付かされる。朝から視聴者の心臓を掴むんじゃない。


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※はぁ~~~~~~~(つらみ)

 

また、今作はとにかく曲が良い。

2つの曲が合わさることで1つのデュエット曲になるOP、ルパンレンジャーとパトレンジャーそれぞれのBGM、1人1人のキャラソン…どれも控えめに言って最高だ。

EDのダンスが無かったことは残念だが、それだけ本編を長くして力を入れてくれたのだから何も言うまい。

 

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※初めて聴いた時、歌詞が良すぎて変な声出た


ルパンレンジャーは「大切な人を取り戻す」という目的を心の支えに戦っている。それ故に、自分のことがまるで勘定に入っていない。
ラストバトル、ドグラニオの中でザミーゴと決着を着けた時、この1年ずっと我慢してきたように3人ではしゃいでいた。
「良かったなぁ、良かったなぁ…」と感動したものだが、 魁利たちは脱出を試みることもせず、満足気に横になる。それだからお前たちは揃いも揃って~~~!と怒りたくなったが、新快盗が助け出してくれたので良しとしよう。


また、ラストバトルと言えばパトレンジャーの戦いも非常に良かった。
既に登場を諦めかけていたスーパーパトレン1号とスーパーパトレンXを見れたことだけでも眼福だったが、ドグラニオをあくまで逮捕して倒さなかったところも、プライドが高いドグラニオが最も嫌がることをしっかりできていた。グッド。
その後復活した快盗たちを相手にしながらもどこか嬉しそうな警察メンツを見ていると、こちらも釣られて感極まってしまった。
「VSと言いながらも途中で仲間になるやろ〜〜〜」と思っていたら最後の最後までちゃんとVSしており、タイトルに偽り無いとても綺麗な作品となった。


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※終わらないで


他にもコグレ、グッディ、ヒルトップ、ジム、そしてドグラニオやザミーゴを始めとしたギャングラー…どれも本当に魅力的で、嫌いなキャラクターが全くいなかった。

なんとスーパー戦隊史上初ギャラクシー賞月間賞を受賞し「特撮の枠を超えた見応えのある人間ドラマ」と高評価を受けている。素晴らしい。
夏には快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーVS宇宙戦隊キュウレンジャーが放映・発売されることが決まっており、予告を観ただけでワクワクが止まらない。これからも楽しませてもらえそうだ。


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プリキュアオールスターズDX2くらいいる


キャラクターへの想いを語るだけでここまで長くなるほど、この作品については語りつくせない。スーパー戦隊には毎年楽しませてもらっているが、これほどまでにハマった戦隊は久しぶりであった。
今ではすっかりルパパトロスに陥り、おかげで『騎士竜戦隊リュウソウジャー』に若干乗り遅れている。何とか切り替えて、気持ちを追いつかせたい。


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※変身と名乗りが派手で良い


ルパンレンジャーには心を盗まれ、パトレンジャーには心を打たれ、本当に忙しく楽しい1年だった。
夏のVシネで、そしてまた来年のVシネで会えると信じて、心待ちにしていよう。 アデュー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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「もう一人のパトレン2号」も大好き

 

映画「平成ジェネレーションズFOREVER」について

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 以前も書いたが、私が初めて観た仮面ライダーは「仮面ライダークウガ」だった。
それまでヒーローと言えばウルトラシリーズ。日曜朝と言えば「ビーファイターカブト」「ビーロボカブタック」「テツワン探偵ロボタック」「がんばれ!!ロボコン」だった私は、そもそも「仮面ライダー」というヒーロ番組の存在を全く知らなかった。
予告を観て「どうやらビーファイターカブトみたいなヒーローがまたやるらしい 」くらいの感覚で視聴を始めた当時、まさかそこから18年以上続く趣味になるとは夢にも思っていなかった。
そんな、私の半生を支えてくれたと言っても過言ではない平成ライダーシリーズ。その集大成が今作「平成ライダージェネレーションズFOREVER」である。


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※20人もいると迫力が違う。


昨年『FINAL』やったのに、また平成ジェネレーションズなのかよ!」と思ったかもしれないが、今回はタイトルにも「FOREVER」とあるように、仮面ライダーシリーズがこれからも続いていくための物語となっている。
本作でまず讃えなければならないのは、その情報統制の徹底ぶりだ。
ゴースト×エグゼイドから始まった「平成ジェネレーションズ」 は、「仮面ライダーウィザード」の操真晴人、「仮面ライダードライブ」の泊進ノ介などの、いわゆる「レジェンド」ご本人をお呼びし活躍させたことが好評を博した。続く「平成ジェネレーションズFINAL」も「仮面ライダーオーズ」から火野映司とアンク、「仮面ライダーフォーゼ」の如月弦太朗と大杉先生とJK、「仮面ライダー鎧武」の葛葉紘汰、「仮面ライダーゴースト」の天空寺タケルと御成が登場し、発表された際は大きな歓声に包まれた。
これらは大体12月初めの頃には出演が発表されていたため、今回も当然その時期に期待されていたのだが、公開直前になってもレジェンドの発表は無かった。
「もしかして今年はレジェンド無し…?」「誰かしらはレジェンド出てほしい…」「前日とかに発表があるのでは…」と様々な憶測が飛んだが、結局答えは公開当日まで伏せられていた。
そして満を持して登場したレジェンドは、なんとびっくり、 佐藤健演じる野上良太郎である。


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※電王本編のイマジン憑依時、当初はカラーコンタクトで目の色を変えていたが、途中からはCGで加工している


私は公開日の朝の回で観に行っていたので、 運良くネタバレ無く映画を楽しむことができた。  

佐藤健野上良太郎を演じるのは「さらば電王」 以来の約10年ぶり。登場シーンまでは子供の声援が圧倒的に多かった劇場で、佐藤健の顔が映った瞬間は明らかに大人の驚きの声が多くあがった。心のどこかで期待はしつつも「まさか出ないだろう」と思っていたらこれである。 我々はいつまでも公式の手のひらの上なのだろうか。
電王の十八番である連続フォームチェンジも堪能でき、タロスズの絡みも存分にあり、ウラタロス憑依状態ではあるが、良太郎もそこにいる。ここのシーンだけでも、普通料金で観ているのが申し訳なくなってくるほどの豪華さだ。
モモタロスが最後に良太郎に投げかけた言葉なんかは公式とファンの解釈が完全に噛み合っており、エモさ100倍参上マンである。


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※ 怒っているようにも笑っているようにも見える秀逸なマスクデザイン


さて、いきなりレジェンド出演について触れてしまったが、 本作はそれだけで終わらない。
平成ジェネレーションズ」はこれまで「仮面ライダーが集結し世界を救う」というのが基本であったが、今回はそれに加えて「仮面ライダーたち自身の存在の危機」まで盛り込まれている。
市民が敵に回り存在を否定されることは仮面ライダーあるあるだが、存在自体が消滅しそうになることは珍しいであろう。最初は「面白い設定だなぁ」とただただ観ていたが、じきにこのストーリーは桐生戦兎のためにあると気付いていく。


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※映画でも戦兎の作画がとんでもなく良かった


仮面ライダービルド」の主人公、桐生戦兎は創られたヒーローである。ブラッド族の計画のためにヒーローごっこをさせられていた偽りのヒーロー…しかし、万丈と出会い、仲間たちと絆を深め、1年かけて本当のヒーローとなった。
それを更に掘り下げ、ヒーローの存在理由、そして何を以って存在証明とするのかを本作では描いている。
劇中で「俺たちは架空の存在なのかな…」というソウゴの問いに、戦兎が出した答えは「どっちだって良い」だ。架空だろうが何だろうが、 今ここに存在していることが何よりも大事。そして、存在している以上やるべきことがある、ということを迷わず判断できる戦兎の姿には、この1年の重みが宿っていた。
これはビルドファンにとって嬉しい演出で、戦兎の成長を最も感じることができたシーンだったであろう。
そんな戦兎は、本作の最後に「誰か1人にでも覚えてもらえていれば、それで良い」という旨の発言もしている。このセリフをバックに画面には万丈が映るのだから、もう相変わらずこいつらは本人がいないと途端に惚気るんだから劇場でファンを殺しにかかるのはいい加減にしてほしい。好き。


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※基本フォーム揃い踏みは地味に嬉しかった


また、本作は本筋以外にもしっかり目を向けたい。
例えばビルドのヒゲポテトコンビ。 特にポテト担当カズミンの騒々しさは今回も健在で、前作「平成ジェネレーションズFINAL」の最後に出てきた格好良い人と同一人物とは思えないほど活き活きとしていた。(もちろんしっかり格好良いシーンもある)
いつものアドリブ風茶々はもちろん、「音也ならレア」等の小ネタもあり、平成ライダーファンなら絶対に笑う仕掛けが散りばめられていた。


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※「ヒゲの分重いんだよ」も好き


上に書いた「音也ならレア」という発言をしたのは、物語のキーとなるアタルという青年である。これが本当に典型的なライダーオタクで、アタルの言動を見ていて「あ~わかるわかる、そういう反応になるよね」と頷きが止まらなかった。
そして特異点の少年、シンゴ。この辺りのお話は、まるで電王本編にありそうな流れで進行していく。
最初こそ「フータロスが見せてくれている自分の夢だ」と現実逃避していたアタルも、ライダー達やシンゴとの出会いで徐々に変わっていく。 2時間弱の尺しか無い中で、アタルの心理描写をできる限り丁寧に行なっていたのは好感が持てた。
最後はシンゴが行方不明になる過去が無くなり、兄弟2人で仲良く仮面ライダーを追いかけていった歴史に修正される。ここの演出がまた上手く、「良かった…良かったなぁアタル… シンゴ…」と、まるで親のような目線で見てしまった。


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※何か裏があると最後まで疑っていたら、 本当にただの良い奴だった。


オールライダー映画と言えば「レジェンドライダーが最後に一気に駆け付け、ラスボスを一緒に倒してはい解散」 みたいな印象が今まで強かったが、本作は徐々に徐々に時間をかけ、ライダー1人1人の活躍を描きながら集まっていく。
これには「推しが多すぎて画面を追うのが忙しすぎる!」 というファンにとても親切で、ライダー達の格好良いシーンをじっくりと観ることができた。 本作の優秀な点の1つである。
中には本編で使ったことが無い「えっなにその技つよ…」と驚愕するほどの攻撃を繰り出しているレジェンドもおり、自分の中でライダー達の強さがどんどん更新されていくのは気持ちが良かった。


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※共通点がある組み合わせもエモの塊魂だった


そんなレジェンドたちを相手した今回の敵、ティード。前情報では「スーパータイムジャッカー」なんて呼ばれていたが、劇中では確か「タイムジャッカー」 としか名乗っていなかったので、自称じゃなくて安心した。
役者の狂った演技がベストマッチしており、その動きのセクシーさも加味され魅力的な悪役となっていた 。
「人間態があれだけセクシーなら、怪人態も超セクシーに違いない」と思っていたら、アナザークウガというザ☆化け物に姿を変えていた。 普段クレバーなティードさんが変身していると考えると、まぁそれはそれで興奮した。


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※指先の動きが特に好き


仮面ライダークウガ」が放送開始した2000年、私はまだ7歳だった。それから現在の2019年、25歳になっても視聴を続けている。その間、本当に多くのことを仮面ライダーから教わった。
しかし誰しもがそうではない。平成ライダーを欠かさず観てきた方でも「何故子供番組をこんなに必死に観ているんだろう」とチラッと考えたことはないだろうか。
仮面ライダーシリーズに限らず、全ての作り話は言ってしまえば所詮”虚構”である。仮面ライダーが好きだと言った私に、「変身したいの?」「仮面ライダーなんて本当はいないよ」 と投げかけた友達もたくさんいた。似たような経験をして、仮面ライダーを始めとしたヒーロー番組から離れてしまった方もいるだろう。
本作は、そんな悩みを抱えたことがある人、そして、これから抱えるであろう子供たち、全てを肯定した映画である。
「好きなものを好きでいて良い。それが虚構だろうが何だろうが、その存在が君を支え、力になってくれる」という、気持ちの良いど真ん中ストレート。キャッチコピーに「仮面ライダーを愛してくれたあなたへ」 とあるように、この作品は私たちファンに向けたアンサー映画なのだ。


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※ありがとう、平成ライダー


きっと私はこれからも仮面ライダーを観続ける。 30歳になっても、50歳になっても、例え周りから何を言われようが、シリーズが続く限り追いかけるだろう。
それは惰性でもなければ、義務感から来るものでもない。 仮面ライダーが好きだから。ただその一心である。
あなたの心に少しでも仮面ライダーへの愛がある限り、ピンチの時は必ずライダーが支えてくれるだろう。

仮面ライダーは実在しない。しかし、私たちの心の中に、ヒーローとして生き続けるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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※何度でも言うけど、普通に良い奴でびっくりした。

 

「仮面ライダービルド」について

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以前「平成ジェネレーションズFINAL」についての記事では「今作は、ヒーローはピンチに必ず駆けつける、というメッセージを感じる」と書いたが、それに対して「仮面ライダービルド」という作品は、「ヒーローとは何か」 という部分を深く掘り下げている。

 

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※シンプルでいて個性的でもあるベストマッチなデザイン

 

全ての始まりは10年前だった。

火星から持ち帰ったパンドラボックスから放たれた光によって地面が隆起、巨大な壁スカイウォールとなって日本列島は3つに分断された。

3分割された地に誕生した3つの首都、北都、西都、そして東都…。パンドラボックスの謎の解明を進める東都で、桐生戦兎は闘っている。失った自らの記憶を取り戻すため。未確認生命体スマッシュが跋扈(ばっこ)する東都で、桐生戦兎は闘っている。人類の平和を守るため、仮面ライダービルドに変身して…。

パンドラボックスの謎を解明し、自らの記憶も取り戻せ!すべてのカギを握る男・万丈龍我との逃亡と闘いの旅が今、幕を開ける!

「勝利の法則は、決まった!」

(公式サイトより)


前作の「仮面ライダーエグゼイド」とは異なり、 今作の主人公である桐生戦兎は冒頭の時点で既に仮面ライダーである。
「主人公のあたふた初変身が第1話で観たい!」という一部の方は予告の時点でガッカリしていたかもしれないが、放送された第1話を見て胸を撫でおろしたことだろう。主人公と経歴や性格も真逆な男が、最高のリアクションを見せてくれた。


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※実質もう1人の主人公である


前情報の時点で「物語の鍵を握る人物」とされていた万丈龍我は、その紹介に違わぬキーキャラクターであった。
歴代ライダーの中でもトップクラスに真っすぐな猪突猛進型キャラクターなのだが、突然拉致され殺人容疑までかけられれば流石に人を信じられなくなるようで、物語序盤なんかは周りと衝突ばかりしていた。
最初こそ「こいつ野蛮で自分勝手な奴だなぁ」と思ったものだが、万丈に感情移入してみると、あんな仕打ちを受けたら誰だって少なからず感情的になるだろう。そういう点では、とても等身大なキャラクターだったと言える。
そんな彼も、戦兎や美空と共に過ごすことで少しずつ心を開いていく。特に戦兎との出会いは万丈の人生において大きなターニングポイントとなっており、劇中では「戦兎と会わなかったら人を信じられなくなっていた」「戦兎が今の俺を創ってくれた」という発言を、本人のいない所で(ここ重要)語るほどである。これは第1話からずっと追ってきた視聴者にとっても心にくる台詞であり、「ほんとに…ほんとに良かったね万丈…」以外の言葉が出なかった。
更に感動するのは、それが決して一方通行の想いではないことだ。戦兎は戦兎で、今の自分を創ってくれたのは仲間たちだと断言している。
仮面ライダービルド」においての2人の関係は、「戦兎のピンチは万丈が救い、万丈のピンチは戦兎が救う」という構図を徹底していた。しかしそれを「だから2人は仲良し」で片付けるのではなく、「普段は喧嘩ばかりで全く気が合わないけれど、 深いところで繋がっている」という、とても美しい形で描き切ったのだから驚きだ。「違うもの同士がベストマッチになる」という、まさに「仮面ライダービルド」にふさわしいコンビである。


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※これにはビルドドライバーも思わず「ベストマッチ!」


しかし、そんな2人を手のひらで転がし、セクシーにほくそ笑む悪役がいる。そう、我らがブラッドスターク、エボルトだ。


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※マスターのせいでおやっさんポジションを疑う病気にかかった


仮面ライダービルド」の制作発表では「みんなを見守るポジションで頑張ります」というようなことを言っておいて、石動惣一という役を貰った段階でエボルトだということまで聞いていたというのだから、役者含めて生粋のワルである。
パンドラボックスが地球に来たのも、スカイウォールの惨劇も、佐藤太郎が死んだのも、葛城巧が記憶と顔を失ったのも、万丈が異端児として誕生しゆくゆく拉致されたのも…数えだすとキリが無いほど全ての元凶なこの宇宙人、憎まれながらも視聴者から人気だったのは、その考え方・ スタンスも理由の1つだ。
ブラッドスターク時代、彼は自身のことをゲームメーカーだと称した。「ゲームメーカー」 という言葉だけ聞くと、ついどこかのを連想してしまうが、この場合は「戦いのセッティング・進行をする」 という意味合いである。
自身は深入りせず誰かの心をかき回す、もしくは行動しなければならない状況を作り、ゲームに参加していることは確かながらも、実は一歩引いた所から全体を観察している。それがブラッドスタークという異質な存在であった。
事実、中盤までトランスチームシステムだけで乗り切り、エボルドライバーを使うまでは一切強化することが無かった。「仮面ライダービルド」という箱庭で遊んでいる、そんな印象を受けた。
そんなエボルトが何故戦兎たちに負けたのか。もちろん戦兎たちが単純に強かった、ベルナージュなどの邪魔な存在があった…なども挙げられるだろうが、個人的には、ゲームメーカーからプレイヤーになってしまったことが敗因だと考える。
仮面ライダーエボルになってから「あれ、 エボルトさん性格変わったかな?」と感じた視聴者も多いのではないだろうか。力を取り戻してからのエボルトは、周りに対するスタンスを変えているのである。
それは話し方などにも顕著に出ており、万丈や戦兎に憑依し人間と深く関わるにつれ、より人間らしくなっていった。ジーニアスの力で感情が生まれてからなんかは、もはや序盤とは別人と言って良い。目的の達成が近づき、今までのスタンスである必要が無くなったのであろう。
エボルトは人間を「人間ごとき」と言いながらも、「面白い」と評価している。個人的な意見だが、エボルトは人間のことが羨ましかったのではないだろうか。人間は愚かだが、自分には無いものをたくさん持っている。星を滅ぼすことだけを宿命としてきたブラッド族にとって、もしかしたらそれは色鮮やかに映ったのかもしれない。


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※全形態セクシー。セクシーの権化。


もちろん、魅力的なキャラクターとして氷室幻徳や猿渡一海も忘れてはならない。

 

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※ヒゲポテトコンビほんとすき


幻徳は敵として登場したキャラクターだが、視聴者には正体バレバレだったナイトローグ時代が懐かしく感じるほどに、仮面ライダーローグとしての功績は大きい。最期のエボルトへの抵抗なんかは、序盤から続いたローグVSスタークの長い戦いの集大成と言って良い、とても熱い展開だった。
ネタキャラとしても便利で、面白Tシャツ芸なんかは実に彼の見た目とマッチしていただろう。子供に大好評だったと聞く。
一海は途中参戦のキャラクターだが、まず役者の若々しさに驚いた。彼は我々仮面ライダーファンの中では、10年前の「仮面ライダーキバ」で登場した紅音也のイメージが強かったが、猿渡一海という「強くてカシラで仲間想いで格好良いドルオタ」という難しい役をしっかり演じきったのは称賛に価する。
一海が登場することで物語が更に加速し、戦兎と万丈の成長へと繋がることも多かった。三羽ガラスの初登場時は「控えめに言ってアームズモンスター3人組やんけ!」 と思ったものだが、その役割は全く違うもので、最終回で元気にしている北都4人組を観た時に泣きそうになった視聴者も多いことだろう。
幻徳と一海、新世界では元気に過ごしているようだったが、一緒に戦ってきた2人は確かに亡くなっているのが辛いところだ。


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※特に青羽が死ぬ展開は、物語が加速するトリガーとなった


更に、「もう1人の主人公」と言えば万丈龍我だけではなく、葛城巧も挙げられるだろう。


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※とても好みな顔立ち


父や幻徳たちも信用できなくなり、たった1人でエボルトに立ち向かおうとして散った葛城巧。その人生は散々なものだっただろうが、彼の最後の言葉が「楽しかったよ」だったのは本当に嬉しかった。戦兎や周りの人々に触れて、悪魔の科学者もやっと人間らしくなれたのだと、たくさんの意味が詰まった台詞であった。


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※葛城巧の印象が強いゴリラモンドさん


他にも惣一、美空、紗羽、内海、首相たちなど、好きなキャラクターを語ればキリがない。 とにかく1人1人がしっかりと生きていて、信念がある。それが「仮面ライダービルド」という作品であった。
1年間Twitterにて実況してきたが、これほどまでに「うわ!エモい!」と叫んだ作品もなかなか無かった。気になる点が無いと言えば嘘になるが、それが帳消しになるくらいには胸が熱くなる展開・ シーンが本当に多かった。
例えば第16話「兵器のヒーロー」では、戦うことに迷いが生じてしまった戦兎に「誰かの力になりたくて闘ってきたんだろ!誰かを守るために立ち上がってきたんだろ!それができるのは、葛城巧でも佐藤太郎でもねぇ!桐生戦兎だけだろうが!」と、主題歌「Be The One」をBGMに万丈が一喝する。はいエモい。エモの塊。奇跡と偶然太陽と月。


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※本編でも映画でも隙あらばイチャイチャする


また、前作「仮面ライダーエグゼイド」でもそう感じたが、恐らく今作は意識的に一気見に向いているように作られているのではないだろうか。現在はBD/DVDだけでなく、東映特撮ファンクラブなどの動画配信サービスで仮面ライダー作品を観る方も多い。そのような視聴方法にも適している作品と言えよう。


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※月960円払えば無料で歴代作品から最新話まで観放題。お得。


桐生戦兎は、最初こそエボルトに創られた偽りのヒーローだったかもしれない。その行いは正義のヒーロー”ごっこ”であり、ブラッド族の思惑通りに動かされていただけかもしれない。しかし、美空と出会い、万丈や他のみんなと出会い、戦兎はみんなに創られて、正真正銘の正義のヒーローとなった。
仮面ライダービルド」という作品は、「ヒーローとはただ戦うためだけの存在ではなく、みんなの笑顔を守り、みんなの明日を創る存在である」 と声高らかに宣言した、ヒーローという概念へのラブレターである。


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※拙者、満を持してのハイタッチ大好き侍


エボルトを倒し新世界が創造され、戦兎と万丈だけが元々の世界からの異世界転移者となった。この終わり方には賛否両論あるらしいが、2人が1つとなって、2つの世界を1つにし、明日を創った。まさに「Be The One」で「ビルド」な物語の締め方で、これ以上は無いと私は思った。


エモをエモで挟んだエモサンドイッチな「仮面ライダービルド」は、観ているだけで心火が燃える、素晴らしい作品であった。戦兎たちの姿は子供たちにどう映っただろうか。きっとそれは、格好良い正義のヒーローであっただろう。その憧れを大切にして、他人に優しくできる人になっていってほしい。
仮面ライダービルド」は、みんなのために戦った、正義のヒーローたちの物語である。彼らの雄姿が私たちの心の中にある限り、勝利の法則が揺らぐことは無いだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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※後輩の作品でもイチャつきおって!そういうとこだぞ!

 

「仮面ライダー鎧武」について

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パティシエが出て、踊ったり歌ったりするニチアサ…そう、「キラキラ☆プリキュアアラモード」は、みんなの大好きなものを守り抜いた素晴らしい作品であった。

 

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※肉弾戦禁止(キラキラルで殴らないとは言ってない)

 

冗談はさておき、「魔法少女まどかマギカ」という作品をご存知だろうか。今でこそドロドロ魔法少女物として有名だが、放送前のキービジュアルやアニメ雑誌の紹介では「ドキドキ魔法タイム♡」とポップな作風を印象付けていた。そんな粋な演出で世間を驚かせた作品の脚本家、虚淵玄さんが描く仮面ライダー、それが「仮面ライダー鎧武」である。

 

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※何が「君はどのフルーツが好き?」じゃ!(褒めてる)

 

仮面ライダー鎧武」を他人にお勧めする際、私はよく「ダンスとフルーツがたくさん出てくるドキドキハチャメチャストーリーだよ!第1話の敵を倒すところなんか爽快だからよく観てね!」と紹介する。ギリギリ嘘は吐いていない。

 

西暦2013年。巨大企業ユグドラシル・コーポレーションの企業城下町・沢芽市。

企業の介入によって急速な発展を遂げたことで人々が豊かな暮らしを送る一方、閉塞感を覚えた若者たちはストリートダンス、ひいてはダンスをするためのフリーパフォーマンスステージを取り合う、特殊な錠前ロックシードを用いた対戦競技インベスゲームに没頭していた。そうしたショーのための陣取りに参加する若者たちビートライダーズが熾烈なランキング争いに身を投じる一方、ビートライダーズの一人だった青年葛葉紘汰は大人への『変身』を願い、ダンスをやめてアルバイトに励んでいた。(引用:Wikipedia)

 

仮面ライダー鎧武」という作品は、「誰かのために変われるか」と「誰かのために変わらないでいられるか」の、相反する2つのテーマがある。よく言えば「それぞれの正義」、悪く言えば「それぞれのエゴ」だ。敵だった者が味方になったり、味方だった者が敵になったりする展開もあり、全体的にとても人間臭いドラマに仕上がっている。

同じ仮面ライダー作品なら「仮面ライダー龍騎」なんかが似た作りで、それもそのはず、先ほども触れた脚本の虚淵さんは、「仮面ライダー龍騎」の脚本を手掛けた小林靖子さんの影響を受けていると公言しているのだ。そのため、「仮面ライダー鎧武」のキャラクターも個性的なメンツが揃っている。

例えば、貴虎とミッチの呉島兄弟。彼ら2人は、一連の出来事を裏からの視点で描く役目を担っている。貴虎は物語の前半、ミッチは物語の後半でそれぞれキーマンとなり、最後は激しくぶつかり合った。一見すると正反対な兄弟に見えるが、それぞれの覚悟を胸に行動する様は似た者兄弟と言えよう。

 

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※フォーゼの力の副作用「宇宙キター!」を途中で止めるとは、さすが呉島主任だ!

 

呉島兄弟が「誰かのために変われるか」を描いていたのに対して、「誰かのために変わらないでいられるか」を描いていたのが、みんな大好き駆紋戒斗。そう、ラスボスである。

戒斗というキャラクターは、今時珍しいほどに信念の塊であり、言うならば決意の擬人化だ。ただ強さを追い求めるだけでなく、「弱者が虐げられない世界」を目指すその真っ直ぐさは、どこか常人離れしていた。だからこそ魅力的で、未だにファンが多いのであろう。

 

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※この魔王みたいなデザインでインファイターなのは卑怯。好き。

 

こうしてキャラクターを紹介していくとキリが無いが、そんな中で最も異質な存在なのは、主人公である葛葉絋汰だ。

仮面ライダー龍騎」と同じく小林靖子さんが手掛けた「仮面ライダーオーズ」に、「映司君を都合の良い神様にしちゃいけない」というセリフがある。人々の願いを叶えるために身をすり減らす映司を危惧して出た言葉だが、この「神様」になってしまったのが絋汰である。最初は自分のために戦い、次にみんなのために戦い、その次に自分とみんなのために戦った絋汰は、最後には遂に世界のために戦ってしまった。それは誰よりも優しい行いだが、人間離れしている。

仮面ライダー鎧武」は、そんな人間離れしてしまった2人の決闘で一度幕を下ろした。

 

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※乱舞Escalationや多彩なフォームチェンジ、決着まで全てが最高。全てが。最高。

 

そして、後日談となる「MOVIE大戦フルスロットル」の鎧武パート「進撃のラストステージ」では、復興に勤しむ呉島兄弟やオーバーロード葛葉絋汰の活躍、敵のコピーでもブレない戒斗など、鎧武らしい完結編を見せてくれた。特にミッチの贖罪、貴虎の諦めない真っ直ぐな意志には感動したものだ。

 

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※もうこの3人が並んでるだけで幸せ

 

「変わること」も「変わらないこと」も人間の可能性だ。足並みを揃えることは簡単ではないが、決して不可能ではない。「君のままで変われば良い」、仮面ライダーがずっと私たちに伝えてきたメッセージを、この作品に感じた。

それこそが「変身」である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※キュアパルフェさん推しです

 

 

映画「平成ジェネレーションズFINAL」について

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 現在放送中の「仮面ライダービルド」では、戦争を通してあらゆる正義、あらゆるヒーローを丁寧に描いている。それに対して本作「平成ジェネレーションズFINAL」が提供したのは「ピンチに駆けつける絶対的ヒーロー」である。

 

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 ※あなた方本当に歳取ってる?

 

まず注目したいのは、何と言っても数々のレジェンドの出演だ。冬映画三年連続出演を果たしたタケル、「MOVIE大戦フルスロットル」以来の絋汰、「MOVIE大戦アルティメイタム」以来の弦太朗、映司。アンクに至っては「MOVIE大戦MEGAMAX」以来であろう。前作の「平成ジェネレーションズ」の時も言ったが、間違いなくファンを殺しにきている布陣だ。

これでオーズ以降のライダーは映像作品で見事復活し、「平成ジェネレーションズ」というチーム名も新たに得ることができた。長年シリーズを追っているファンにとって、これ以上の喜びは無い。

 

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※中でもアンクの変わらなさは異常

 

最初に登場したレジェンドはタケルだった。使った眼魂は「サプライズ・フューチャー」での先行登場と同じだったが、数々の試練を乗り越え、レジェンドとして現れたゴーストを観た時の鳥肌は凄まじいものであった。「平成ジェネレーションズ」で永夢に命を救ってもらった下りにも触れたり、御成がしっかり活躍したりで、ゴーストらしさも出しながらそれでいて出しゃばらない、良い先輩ライダーだった。

映司とアンクについては、「感無量」、この一言である。本編の回想や、最終話を思い出させるような演出。アンクの復活から別れまでを慎重に、それでいて大胆に仕上げている。映画館で息ができなくなりそうになったのは初めてだ。

弦太朗は「MOVIE大戦アルティメイタム」の前日譚という位置付けで、上手くお話に組み込まれた。JKや大杉先生といった人気キャラと共に、「あれ?ついこの間まで放送してました?」と錯覚するような当時のノリを見せてくれた。

絋汰は今回レジェンド唯一の単独出演。都合良く考えると神らしくもあり、プラスに働いたのではないだろうか。カチドキ→極の流れも再現しておりGOODであった。

 

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※決め台詞が被るシーンはアドリブと知り、より微笑ましくなった

 

今回「仮面ライダービルドの世界」と「歴代ライダーの世界」は完全にパラレルとして、2つの世界の融合によって起こる消滅現象を防ぐことがミッションだった。

「世界の融合」と聞くと真っ先に思い出すのは「仮面ライダーディケイド」だが、ディケイドの際は「建物が消える」や「様々な世界の怪人が出現する」といった現象で融合を表現していた。本作では世界の融合により地面が割れ、陥没していった。それを観て連想するのは、やはり震災である。

近年の震災の中でも大きい被害があった東日本大震災は、「仮面ライダーオーズ」の放送中に発生した。仮面ライダーシリーズ放送40周年記念のタイミングと偶々重なり特別CMが流され、ヒーローが心の支えとなった子供たちも多かったであろう。

今回映司は、地割れと陥没により落ちそうになった龍我の手を掴むシーンから参入する。終始「手を繋ぐ」というテーマを貫いたオーズらしくもあり、「ヒーローはここにいる」という揺るぎないメッセージとも思えた。

 

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※胸が熱くなるCMだ

 

私が個人的に感動したのは、やはりエグゼイド組の息の合った連携だ。飛彩、大我、貴利矢の同時変身や、カットを分けず進んでいく避難者への救助、全てが素晴らしかった。エグゼイドの第1話からは想像できないような連携っぷりに、クライマックスでもないのに涙が出そうになったものだ。

また、本作は「龍我の成長物語」としての役割も担っている。本来本編でやっても良いような龍我の葛藤を描くことで、本編や「トゥルーエンディング」との密接な繋がり、また、映画を観ている私たちの感情移入の一助になっていた。

一連の流れを意識して観ても良し、単体で観ても良しの、隙の無い映画と言えよう。

 

「もう無理か」と諦めかけていた弦太朗や絋汰のオリジナルキャスト。平成ジェネレーションズではないが、再演が絶望的だったフィリップも「風都探偵」のおかげで翔太郎とのコンビをまた見ることができた。

ここぞという時に駆けつける、まさに彼らはヒーローだ。私たちは安心して応援していけば良い。これまでも、これからも、仮面ライダーは格好良い。そう思わせてくれる映画であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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※1号さんとRXさんとファイズさん、ポスターに映りたかっただけやんけ!

 

「仮面ライダーゴースト」について

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私は昔、幽霊が大嫌いだった。「午前3時は幽霊が集まる時間」というお話を絵本で読んで以来、運悪く目覚めてしまった夜は布団の中で怯えていた。

そんな臆病だった私も、遂に幽霊が主人公の作品を真剣に観ることとなる。「仮面ライダーゴースト」は、主人公であるタケルの死から物語が始まる。

 

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※特撮界でも稀に見る演技上達スピード

 

   亡き父(西村和彦)のようなゴーストハンターになるため、修業するタケル(西銘駿)だが、肝心のゴーストが見えないことにはやる気すら起きない。

   そんな折、街では奇妙な事件が続発。タケルのもとには父から眼魂(アイコン)が届けられる。その眼魂を手にしたタケルは、2体のゴースト、眼魔(ガンマ)に襲われ命を落としてしまう。

 死の世界へと旅立ったタケルは、その途上、仙人(竹中直人)と出会い、仮面ライダーゴーストに変身する力を授かった。ユルセン(声・悠木碧)とともに現世へと舞い戻ったタケルはゴーストに変身。槍眼魔を倒すと、武蔵の力を得てゴーストムサシ魂に変身。刀眼魔を打ち倒す。

 蘇ったタケルだが、仙人によると99日の間に15個の眼魂を手に入れなければ生き返ることは出来ないという。あと98日で14個…。いったいどうすれば!?タケルの戦いの日々が幕を開けた。(公式HPより)

 

オールライダー対大ショッカー」にて1号が「仮面ライダーは死なん!」と仰っていたが、第1話でいきなり死んでしまったタケルは間違いなく仮面ライダーの歴史を動かした主人公であろう。しかしその分、やはり世間からの第一印象はあまりよろしくなかったように思える。「ヒーローは悪に負けない」という昔からあるイメージの中、日曜日の朝に主人公を敗北からスタートさせるというのは、企画を通すこともなかなか難しかったのではないかと思う。しかし今思えば、タケルだからこそできた設定であった。

 

そもそも天空寺タケルというキャラクターは、歴代と比べても不完全な主人公だった。キャラが定まっておらず、何と言うかフワフワしている(幽霊だけに)。しかしそう感じるのはごく自然なことで、タケルに最初に与えられたのは「空っぽの青年」という役割だけだったのだ。

タケルを語る上で忘れてならないのは、彼を構成する『18歳』『小さい頃に両親を亡くしている』『幼馴染も行方不明になる』『頼りは父から貰った英雄伝のみ』という要素だ。キャラが定まっていないどころの騒ぎではない、意図的にキャラ付けを省かれている。心の支えは父と英雄への憧れ、そんな中で命を落としいきなり戦うことになったとしても、普通の青年なら戸惑うか何となく戦うかである。普通の心優しい青年、それだけがタケルの初期から持っている性格であり、実に現実的で等身大と言えよう。

それを踏まえた上で「仮面ライダーゴースト」を観ていくと、本作がタケルの成長物語だということがより分かりやすいだろう。

 

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※御成は本当に便利なキャラだった

 

ゴーストに登場する仮面ライダーはどれも好みだが、中でもゴーストのグレイトフル魂とムゲン魂はデザインも能力も群を抜いて好きだ。

グレイトフル魂、別名英雄みんなでフルボッコ魂は15人いる英雄を召喚しながら戦う。頭部に各英雄の意匠があり、同じてんこ盛りでもこれまでのてんこ盛りとは一味違う見た目になっている。

 

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※シャレオツ霊柩車

 

ムゲン魂は消滅から復活したタケルの奇跡の力だが、それにしてもチートすぎる。ウィザードのインフィニティースタイルも速い固い強いのチート三拍子だが、ムゲン魂に至ってはそこに『攻撃をすり抜ける』とかいう「えっそれどうやって倒すの」と視聴者が驚いてしまう程の最強フォームだ。

 

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※幽霊→火葬→霊柩車→死に装束と、段々と蘇っている

 

これらのフォームを手に入れたのも、ひとえにタケルの努力の賜物である。英雄がまるで孫への愛のようにタケルを可愛がるのも、タケルがどんな時も諦めず人々を助けたのも、タケルの純粋さが根底にある。空っぽだったからこそ、強い意志が無かったからこそ、成長していく中で強い意志を持つことができた。それがタケルという主人公の魅力なのだ。

 

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※このシーンだけで泣きそうになる

 

仮面ライダーゴースト」は映画でも『タケルの成長』という点にスポットを当てている。

ドライブとの冬映画「MOVIE大戦ジェネシス」では、先輩ライダーの進ノ介や父親である天空寺龍と行動を共にすることで、たくさんのことを学び強くなっていった。春映画「仮面ライダー1号」でもそうだ。本郷猛という大先輩に触れ、命の大切さを知った。夏映画「100の眼魂とゴースト運命の瞬間」ではタケルの想いの強さを、エグゼイドとの冬映画「平成ジェネレーションズ」では仮面ライダーとしての強さを表現していた。今でこそ『人間の可能性は無限大だbotお化け』みたいな扱いを受ける時があるが、その決め台詞に偽りは無く、どんな絶望にも可能性の力で立ち向かっていった。そんなタケルはどうしようもなく仮面ライダーである。

 

もちろん魅力的なキャラクターは主人公だけではない。例えばサブライダーのマコトとアラン。タケル程ではなくとも、この2人も大きな成長を遂げたキャラクターだ。『序盤のマコト兄ちゃんいくら何でも酷すぎる問題』や、アランも『眼魂集めてフミ婆生き返らせよう問題』などもあったが、総合的に見ても良いトリプルライダーであった。マコトとアランの活躍は本編よりもVシネの印象が強いのは惜しいが、あの設定をニチアサでやるのは難しいので仕方ないだろう。

 

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※イケメン揃い…嫌いじゃないわっ!

 

何でも「仮面ライダーゴースト」は当初思い描いていた脚本がNGになり、急遽方向転換したとも聞いている。『人の生死』というテーマは、今のニチアサでは型にはまった物以外は受け入れられにくいのかもしれない。似たようなことで『改造人間』という設定も身体障害者などへの配慮としてタブーとされてきたが、エグゼイドからはその辺りもチャレンジしているように見受けられる。もしかしたら「仮面ライダーゴースト」の頑張りも、注目こそされなかったかもしれないが、意味はあったのかもしれない。あくまで子供番組ということを考えると難しいだろうが、そういった挑戦はぜひ今後も続けて頂きたい。

 

チャレンジャーとは、いつの世も煙たがれるものである。「仮面ライダーゴースト」は、確かに万人受けしにくい作品だったかもしれない。しかしどうだ、「平成ジェネレーションズ」で普通に高校生活を送っているタケルを観て、みんな思う所があったのではないだろうか。最初は感情移入ができず好きになれなかったタケルも、今ではとても好きなキャラクターの1人だ。

本作は、何も持たない青年が英雄になる物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ※全てを知る(大嘘)

「仮面ライダーエグゼイド」について

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「ドクター」「戦う」「ゲーム」と聞いたら何を思い浮かべるだろうか。以前までほとんどの方はきっと「Dr.マリオ」と答えただろうが、現在はそれだけじゃない。「仮面ライダーエグゼイド」は医療×ゲームという、一見してかみ合いそうにない要素を強引に、それでいて自然に鮮やかに繋げた作品である。

 

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※このルックスが良いよね

 

ひいき目で見ても、世間からの第一印象は決して良いものではなかった。「仮面ライダーらしくない」とは毎年言われることだが、今回はそれに加えて「戦いそうに見えない」「ゆるキャラ?」「ダサいとかのレベルじゃない」と散々言われていた。レベル1を差し引いても、今までのライダーとは全く違う方向性のデザインだったためだ。しかしそれで良い、そうで無くては駄目だと私は思う。「仮面ライダークウガ」と「仮面ライダーアギト」、2作とも大好きだが、リアルタイムで視聴していた当時、正直2人の見分けがつかなかった。(私だけかもしれないが)シルエットに共通点があると途端に見分けがつかなくなる子供にとって、エグゼイドとゴーストの違いはさぞわかりやすかっただろう。

 

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※先輩ライダーなのにタケルが敬語なの、良いよね

 

そんなポップな見た目のエグゼイドも、お話は中々に濃厚だった。キーワードは『ギャップ』だ。

もちろん第1話から面白かったが、物語が加速したのは何と言っても第12話「クリスマス特別編 狙われた白銀のXmas!」である。サブタイトルだけならどう見てもギャグ回だが、断言しておこう、エグゼイドにギャグだけで終わる回は存在しない。むしろ前半でギャグ方面に走った回は、後半にどんでん返しがあることが多いのだ。これも1つのギャップである。

ポッピーの正体、敵ライダー新フォームお披露目、メインキャラの死…クリスマスに放送する内容とは思えないが、このお話の評判を聞きエグゼイドに興味を持った方も少なくないだろう。また、これも「仮面ライダーエグゼイド」の特徴として、キャラクターが戦闘中に諦めることが少ない。特撮作品を見ていれば、野暮ではあるが「今の避けれたのでは?」という場面も多々ある。しかし、ことエグゼイドの戦闘では、敵の攻撃に対して直前まで抵抗している描写が多い。これはキャラクターに感情移入する手助けをしてくれており、個人的にとても嬉しかったことを覚えている。絶対に倒してやる、絶対に生き残ってやるという執念が感じられた方も多いのではないだろうか。

 

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ニコニコ動画では「最後まで抵抗するのすき」と親しまれている

 

そんな「仮面ライダーエグゼイド」、映画にも恵まれている。まずはゴーストとの冬映画、「平成ジェネレーションズ」。ウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、エグゼイドが共演し、更に晴人、進ノ介、タケルは本人出演なのだから驚きだ。若干「ベルトさん復活しすぎでは?」という思いもよぎったが、他に文句は一切無く、間違いなく最高の映画であった。

次に「超スーパーヒーロー大戦」。こちらは電王10周年という色が強くエグゼイド本編とのリンクも無いため異色だが、過去ヒーローの再演、作品を超えたバトルなどは見応えがある良作だ。これもまた「キャラがブレてる」「何故カード使わないの…」などの声はあったが、アクションも気合が入っていて個人的にはグッド。

3つ目は夏映画「トゥルーエンディング」。これに関しては「とにかく観てくれ」の一言に尽きる。本編終盤と完全リンクしている本作は、公開日に観ただけでは意図的に謎が残るよう作られており、かなりの挑戦作かつ成功作だ。最終回先行上映と言えば今までは「劇場版仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」だったが、ここにきて歴史に新たな1ページが刻まれた。

2017年9月現在、これらの映画がヒットしたこともありエグゼイドは未だ視聴者からの人気が高く、「エグゼイドロス」なんて言葉もTwitterでは呟かれた。

 

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※鎧武が完全にbotだったのは仕方ないが残念

 

仮面ライダーエグゼイド」は一貫して「命」をテーマに物語を描いていた。と言っても、特にドライブ辺りから仮面ライダーはずっと「命」をメインテーマにしている傾向ではある。ドライブでは機械生命体ロイミュードの生き様をチェイスやハートで魅せ、ゴーストでは主人公タケルが命の重さを学んでいく成長の物語であった。では何故「仮面ライダーエグゼイド」はこの2作とまた違う作品になったのか。私はそれを、「背負っている物の重さ」での表現に特化させたからではないかと考える。

医者とは人を生かす職業だが、それと同時に最も人の死に近い職業でもある。それはつまり良い思い出ばかりでなく、暗い過去、負い目、清算すべき因縁が必ずあるということだ。本作の登場人物のほとんどは過去の設定、また、その過去の出来事から作られた性格や特徴をとても丁寧に描いていた。「仮面ライダーゴースト」で時々見られた「キャラが定まらない」という弱点を見事に克服している。決して「仮面ライダーゴースト」を悪く言いたいわけではないが(と言うかそこがゴーストの魅力の1つなのだが)、「前作を超えてやる!」という意気込みはここからも感じられよう。

更に脇を固めるのが2号、3号ライダーである鏡飛彩と花家大我だ。

恋人を亡くした過去を持ち、恋人との約束という一種の呪いのために剣を振っていた飛彩は、永夢や大我を始めとした様々な仲間と接していく内に変わっていった。「俺に切れない物は無い」が口癖の彼でも仲間との絆は切ることができず、呪いを希望に変え戦い抜いた。

大我が魅力的なキャラクターになったのは、やはりニコちゃんの功績が大きい。因縁や孤独を抱え戦う彼を、最初は意図していなかったかもしれないが、隣に立ってずっと支えてあげていた。自暴自棄気味だった大我にとって、守りたい命ができたことは生きる希望となったことだろう。

 

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※この2人の関係が熱すぎる

 

キャラクターの話になると、どうしても檀黎斗について語りたくなってしまう。「仮面ライダーエグゼイド」の登場人物の中で、最もスタッフと視聴者から愛されたキャラクターと言えても過言では無いかもしれない。特にコンティニュー後の新檀黎斗以降は「元敵」「開発者」「ダーティースタイル」「顔芸」「声芸」「ツンデレ」という、特撮で愛されやすい要素を踏まえた上であの性格だ。好きにならないはずがない。長くなるので割愛するが、仮面ライダーファンのほとんどがVシネを期待していることは間違いないだろう。

 

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※正直序盤は「なんやこのポエム野郎」くらいの認識だったが、今ではハイパー大好き

 

エグゼイドの魅力はそれだけではなく、共闘が全て熱いこともここで挙げておこう。

私が特に好きなのは、月並みだが第31話「禁断のContinue!?」の二人のマイティ、第38話「涙のperiod」のエグゼイド&ブレイブ、第40話「運命のreboot!」のエグゼイド&パラドクス、第41話以降のバトル全てだ。全て熱い。もう一度言おう。全て熱い。

劇中歌があまり使われなかったことだけが心残りだが、序盤から使用されているBGMも十分格好良く、ただでさえ決まっているバトルをより熱いものにしてくれている。良い。

これは本作が得意とする予告詐欺も一役買っており、次回予告を観て視聴者が想像する展開とはまた違うバトルを見せてくれるため、1話見逃すだけでもお話に着いていけなくなるレベルであった。

 

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※決め台詞が最高

 

例年に比べ展開が異様に速かった「仮面ライダーエグゼイド」、当初は中盤での失速が懸念されていたが、実際はそんな心配をしていた自分が恥ずかしいレベルでの完成度で走り切り、次作「仮面ライダービルド」へしっかりとバトンを渡した。当然のことのように聞こえるかもしれないが、一年物はこれが本当に難しいのだ。エグゼイドから仮面ライダーを観始めた方も多く、新たなファンを呼び寄せた作品にもなった。ファンとして本当に嬉しい限りだ。

ニチアサは「仮面ライダービルド」へとバトンを渡したが、決して「仮面ライダーエグゼイド」が終わったわけではない。冬には「平成ジェネレーションズFINAL」、来年の春には電王ぶりのVシネトリロジーも控えている。本編が綺麗に終わったこともあり、若干のエグゼイドロスは感じるものの、まだまだ楽しませてくれるであろう期待が終わらないのは心地良い。

先ほども触れたように、他の仮面ライダーを観たことが無くとも楽しめる「仮面ライダーエグゼイド」。今から観ても全く遅くはないため、未視聴の方は騙されたと思って観てみてほしい。絶対に損はさせないであろう。そして、観終わった後は1つのゲームを終えたような達成感を感じるに違いない。「仮面ライダーエグゼイド」という名のゲームを、ぜひ体感してほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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※密かに共演を願っていました…。